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吉野家がエコマーク取得、対象は「牛丼」ではなく…

牛脂回収し工業用せっけん、食べ残しを抑制など
 吉野家は日本環境協会(東京都中央区)から、環境配慮を表示できる「エコマーク」の認定を取得した。食品廃棄物の削減、省エネルギー機器の導入などの活動が認められた。吉野家ホールディングスの河村泰貴社長(写真左)は「エコマークは子どもの文房具に使われるなど身近。従業員への教育になる」と期待する。

 エコマークは第三者が評価する国内唯一の環境ラベル。事務用品の取得が多く、飲食店の認定基準は9月にできた。セブン&アイ・フードシステムズ、モスフードサービスなど4社の店舗も同時に取得した。

 吉野家は店舗で牛脂回収して工業用せっけんメーカーに供給するなど、廃棄量の削減にも取り組む。また、計量データからご飯の盛り付け量を調整し、食べ残しの発生を抑制。2020年までに全店舗へ発光ダイオード(LED)照明を導入する予定だ。

 河村社長は当初、エコマークの取得に反対だったが、従業員の作業負担にならないことが分かって認証を推進した。

 今は「環境活動は途中でやめると最悪の結果になる」と語り、食品廃棄削減などの取り組みを強化する方針だ。
日刊工業新聞2017年12月28日
松木喬
松木喬 Matsuki Takashi 編集局第二産業部 編集委員
手が地球を包むようなデザインの「エコマーク」、ボールペンなどで会社で使う商品で見たことがある方、多いと思います。同じカテゴリーの商品を比べ、省エネ・省資源など環境全般の配慮が上位の商品だけが認定を受けられるように基準を作っています。国の調達基準となっています。最近、商品以外も増えています。例えば帝国ホテルも。吉野家はエコマークをどこに表示するのか、気になります。

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