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乳がんを高分解能で撮影、名大がPET装置開発

アルツハイマー病診断も可能、製品化目指す
乳がんを高分解能で撮影、名大がPET装置開発

乳がんを高感度で検出する小型PET装置(名大提供)

 名古屋大学大学院医学系研究科の山本誠一教授らは、乳がんを高感度、高分解能で撮影できる小型陽電子放射断層撮影(PET)装置を開発した。高感度の新型シリコン光センサー「シリコンフォトマル」採用により、高性能化と小型化を図った。頭部撮影によるアルツハイマー病診断も可能。今後、メーカーと製品化を目指す。

 同装置はリング径を26センチメートルに小型化して乳房のみを測定、体幹でのガンマ線の吸収がなく、高感度で検出できる。検出リングを理想的なほぼ円形にでき、空間分解能は2ミリメートル前後にまで高めた。

 全身用PET装置は腫瘍の早期発見に有用。ただ検出器のリング径の大きさや体幹によるガンマ線吸収が大きく、乳がんの高感度検出は難しかった。
日刊工業新聞2017年12月6日
明豊
明豊 Ake Yutaka 取締役ブランドコミュニケーション担当
 日本人に多い乳腺密度が高い高濃度乳房では、乳がんのしこりの判別にマンモグラフィーとともに、超音波診断装置の併用が有効とされている。乳房専用の陽電子放射断層撮影装置(PET)に力を入れるのは島津製作所だ。乳房専用PETは患者がうつぶせになって、検出器の穴に乳房を入れるだけで検査できる。産学連携の乳がん検査装置開発も増えてきており、ぜひ実用化を。

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