倒産した雑貨店「ママイクコ」、9年以上も不適切会計に手を染めた本質
きっかけは新事業の失敗も、本業の競争激化が背景に
雑貨店「ママイクコ」を経営するシステムジュウヨンは、代表の石田勝彦氏が若干21歳で1965年に個人創業。小売りを主体にフランチャイズチェーン店への卸業も手がけていた。
洋服、食器、キッチングッズ、家具など取扱品は多岐にわたり、オリジナル商品を数多く販売。主婦層を中心に女性に高い知名度を獲得し、2008年8月期に売上高約75億3600万円を計上した。その後もショッピングセンターからの出店要請もあり店舗網は全国に161店舗を数えるまでに至っていた。
異変が表面化したのは16年8月期決算。それまで毎期3000万円以上の経常利益を上げていたが突如、経常損益で約1億2200万円の赤字を計上した。
多くの取引先が急激な業績悪化に大きく反応し、同社への信用不安が急速に広がった。金融機関へは経営改善計画を提出したが、競争は激しく店舗の売り上げは回復しなかった。
資金繰りは毎月末に行われる借り入れによりつないでいたが、今年3月に金融機関へリスケ(返済条件変更)を要請。数カ月をかけて資産査定と経営改善計画策定を行うことを決めたが、資産査定が進む過程で不適切会計が発覚。
16年8月期末で純資産は4億円以上とされていたが、債務超過に転落した。この不適切会計のきっかけは、03年頃に進出した飲食業と高級家具販売事業だった。この二つの新事業で赤字を出し、結果としてその後撤退を余儀なくされた。
この赤字による風評被害を覆い隠す目的で不適切会計をスタートし、9年以上も続いた。その事実を公表以降、金融機関の態度は硬化。さらに10月11日のバンクミーティングで公表された資産査定の最終結果では8億円以上の債務超過に転落していた。当然、追加支援は見込めず、資金繰りに窮した同社は10月27日に民事再生法の適用を申請した。
株)システムジュウヨン
住所:大阪市北区天神橋3−7−9
代表:石田勝彦氏
資本金:3000万円
年売上高:約68億6000万円(16年8月期)
負債:約35億600万円>
(文=帝国データバンク情報部)
洋服、食器、キッチングッズ、家具など取扱品は多岐にわたり、オリジナル商品を数多く販売。主婦層を中心に女性に高い知名度を獲得し、2008年8月期に売上高約75億3600万円を計上した。その後もショッピングセンターからの出店要請もあり店舗網は全国に161店舗を数えるまでに至っていた。
異変が表面化したのは16年8月期決算。それまで毎期3000万円以上の経常利益を上げていたが突如、経常損益で約1億2200万円の赤字を計上した。
多くの取引先が急激な業績悪化に大きく反応し、同社への信用不安が急速に広がった。金融機関へは経営改善計画を提出したが、競争は激しく店舗の売り上げは回復しなかった。
資金繰りは毎月末に行われる借り入れによりつないでいたが、今年3月に金融機関へリスケ(返済条件変更)を要請。数カ月をかけて資産査定と経営改善計画策定を行うことを決めたが、資産査定が進む過程で不適切会計が発覚。
16年8月期末で純資産は4億円以上とされていたが、債務超過に転落した。この不適切会計のきっかけは、03年頃に進出した飲食業と高級家具販売事業だった。この二つの新事業で赤字を出し、結果としてその後撤退を余儀なくされた。
この赤字による風評被害を覆い隠す目的で不適切会計をスタートし、9年以上も続いた。その事実を公表以降、金融機関の態度は硬化。さらに10月11日のバンクミーティングで公表された資産査定の最終結果では8億円以上の債務超過に転落していた。当然、追加支援は見込めず、資金繰りに窮した同社は10月27日に民事再生法の適用を申請した。
住所:大阪市北区天神橋3−7−9
代表:石田勝彦氏
資本金:3000万円
年売上高:約68億6000万円(16年8月期)
負債:約35億600万円>
(文=帝国データバンク情報部)
日刊工業新聞2017年11月28日