軽トラ首位のダイハツ、「ハイゼットカーゴ」を大幅改良した理由

開発者が語る「安全・安心へのニーズが急速に高まった」

ダイハツ工業 DNGAユニット車両開発本部製品企画部チーフエンジニア 鈴鹿信之氏

 2014年発売の新型「ハイゼットトラック」、16年の同「ハイゼットキャディー」に続く、働く人に寄り添う商用車の第三弾として「ハイゼットカーゴ」を“ビッグマイナーチェンジ”した。顧客ニーズ、近年の社会変化、安全意識の高まりなどを捉えて企画。軽商用車で初めて、歩行者も認識して作動する衝突回避支援システム「スマートアシストIII」などを搭載した。

 開発はおよそ2年半前にスタート。ドライバーや車のオーナー、業販を含む全国の販売店などに意見を伺った。開発当初は燃費競争真っただ中だったものの、ここ1―2年で安全・安心へのニーズが急速に高まった。環境変化が激しく、企画の修正を何回も行った。

 従来のハイゼットカーゴは04年のフルモデルチェンジから13年が経過。デザインでは「一瞬で新しい車とわかるようにしてほしい」との要望が多かった。また、企業などの購入条件に安全装備が入ってきており、必須の自治体もある。事故は信用問題にもつながる一方、安全装備があればその車の保有者のイメージも良くなる。

 軽商用車は機能、意匠に加え、価格もかなり重視される。低価格で社会のニーズに応えられる車に仕上げるのが難しかった。スマアシ搭載の有無は選択できるようにはしているが、基本は搭載。どうしてもという場合は非搭載も選べるとのスタンスだ。スマアシを先行導入した軽乗用車と部品共用化などで、価格上昇を抑えている。

 内外装も刷新。外観はシャープでたくましく、競合車と一線を画すデザインで格好良さを追求した。フロントバンパーは分割式。角の部分は縁石などにこすりにくい設計。黒色で傷が目立たず、交換したい場合はコーナー部分だけ交換が可能で、修理費を軽減する。インパネは大型トレイ中心で“しまう収納”から、見えて分かりやすい“使う収納”に転換し、頭上の収納も工夫した。ボディーカラーは全7色で豊富。

 品質では信頼性と耐久性を高めるべく、防錆鋼板をアッパーボディー表面積の約75%に採用。サビ保証期間も延ばした。もちろん経済性も重視。アイドリングストップ採用などで低燃費化している。

日刊工業新聞2017年11月14日

日刊工業新聞 記者

日刊工業新聞 記者
11月15日
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世は高齢化社会。軽商用車は50歳以上のシニアドライバーが6割を占め、女性比率も年々高まっている。活況の宅配業務などに従事する女性も多く、充実した安全装備は競合車との差別化機能になりそうだ。軽トラックでダイハツはシェア首位。一方、軽キャブバンでは自動ブレーキ搭載で先行したスズキの後塵(こうじん)を拝しているが、巻き返しを図る。
(日刊工業新聞大阪支社・松中康雄)

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