阪神高速が地震の影響をスパコン「京」で予測

検証が難しい橋脚などの挙動をシミュレーション

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阪神間の重要幹線である阪神高速道路
 阪神高速道路は国産スーパーコンピューター「京(けい)」を使い、地震の震源域から高速道路に及ぶ揺れの影響の予測を始める。実験による検証が難しい橋脚などの挙動を、毎秒1京510兆回(京は兆の1万倍)の計算速度を持つ京を活用して大規模にシミュレーションする。構造物の耐震対策、地震が発生した後の緊急輸送計画の策定などに役立てる。2020年3月をめどに、総延長の9割超にあたる阪神地区の約250キロメートルの解析を完了する。

 阪神高速道路は1995年1月の阪神・淡路大震災後、地震の影響の解析や耐震対策の研究を進めてきた。ほぼ全線にわたり揺れが予測できれば、構造物の耐震対策や復旧計画、地震発生後の交通への影響、緊急輸送路の確保などが高度化できる。

 同社は新たに京を用いた地震影響予測「地震応答シミュレーション」を、名古屋工業大学、宮崎大学発ベンチャー企業の地震工学研究開発センター(宮崎県高鍋町)、耐震解析研究所(名古屋市中区)と共同研究する。14年度より体制を組んでおり今回、具体的な研究成果につなげる。

 これまで京を使って、20キロメートルの仮想の連続高架橋に対する地震の反応や、阪神・淡路大震災における東神戸大橋(神戸市東灘区)の被害を再現。一部の構造物や限定した区域を想定して解析してきた。

 地震応答シミュレーションは、京の計算技術を生かして橋梁といった大規模な構造物を高度に立体モデル化した。これまで再現できなかった詳細な損傷を表現できた。
地震応答シミュレーション結果の活用

日刊工業新聞2017年9月25日

COMMENT

明豊
デジタルメディア局
局長

17年度中に、全線の構造物を線形で表すなど基本的な枠組みを完成する。20年3月にかけて、構造物や地盤のデータを立体モデルへ取り込み、広範囲に挙動の検証を始める。多様な震源域から地盤、構造物までの影響について、各断層の位置における地震応答を解析するという。

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