新幹線は交通系ICカードやスマホで通るのが主流になる?
東海道・山陽新幹線、新予約サービス「スマートEX」開始
東海道・山陽新幹線の改札を交通系ICカードやスマートフォンで通れる―。JR東海とJR西日本は30日に、新たな予約サービス「スマートEX」を始める。インターネットで発車直前まで変更が可能な座席予約システムや紙チケットのいらないサービスは従来、会員限定で提供していた。一般利用客の利便性向上を図るだけでなく、駅窓口など業務効率化の狙いもある。
JR東海の柘植康英社長は「一般のネットショッピングと同様」と手軽さを訴求する。あらかじめ専用サイトでクレジットカードと交通系ICカードの情報を登録して使う。本人認証にICカードのIDを使う仕組みだ。
既存のサービス「エクスプレス予約」は、クレジット会員や法人会員に専用ICカードを発行しており、会員数は7月末で325万人。座席指定の利用者全体に占めるサービスのシェアは、東海道新幹線で約3割、山陽新幹線で約2割という。
JR西日本の来島達夫社長は「年会費、審査など手間はかかるがヘビーユーザーにメリットがある」と話す。通常よりも割安な料金設定と、乗車距離や回数に応じてグリーン車が利用できるポイント制度の特典も特徴だ。
スマートEXは会費が無料であり、こうした特典はない。通常の料金より200円安いが、新幹線駅から在来線に乗り継ぐ際には別途運賃が発生する。2社とも、どれだけの利用があるかは、今のところ未知数だという。
スマートEX導入はJRにも利点が多い。新幹線利用客は増え続けており、ネット予約のシェアが増えれば、駅窓口の発券業務など負荷軽減や混雑緩和につながる。予約動向を元に増発を検討でき、需要予測などへのビッグデータ(大量データ)活用も期待できる。
海外では電子チケットを含めてスマホ一つで旅行する環境が充実しつつある。スマートEXも訪日外国人客の利用を視野に、年内のサービス開始を目指している。海外から予約できるシステムの構築には、多言語対応のほか現地の法規制への配慮も不可欠だという。
JR東日本の冨田哲郎社長は「鉄道のチケットが紙から電子に変わるのは時代の要請」と話す。同社のICカード「Suica(スイカ)」はスマホなど携帯端末に登録して使える。東北・上越新幹線などに利用できるほか、既存のエクスプレス予約にも、会員登録さえすれば対応してきた。今後も電子チケットの拡大を検討しており、2020年の東京五輪前の実現を目指す。
(文=小林広幸)
JR東海の柘植康英社長は「一般のネットショッピングと同様」と手軽さを訴求する。あらかじめ専用サイトでクレジットカードと交通系ICカードの情報を登録して使う。本人認証にICカードのIDを使う仕組みだ。
既存のサービス「エクスプレス予約」は、クレジット会員や法人会員に専用ICカードを発行しており、会員数は7月末で325万人。座席指定の利用者全体に占めるサービスのシェアは、東海道新幹線で約3割、山陽新幹線で約2割という。
JR西日本の来島達夫社長は「年会費、審査など手間はかかるがヘビーユーザーにメリットがある」と話す。通常よりも割安な料金設定と、乗車距離や回数に応じてグリーン車が利用できるポイント制度の特典も特徴だ。
スマートEXは会費が無料であり、こうした特典はない。通常の料金より200円安いが、新幹線駅から在来線に乗り継ぐ際には別途運賃が発生する。2社とも、どれだけの利用があるかは、今のところ未知数だという。
スマートEX導入はJRにも利点が多い。新幹線利用客は増え続けており、ネット予約のシェアが増えれば、駅窓口の発券業務など負荷軽減や混雑緩和につながる。予約動向を元に増発を検討でき、需要予測などへのビッグデータ(大量データ)活用も期待できる。
海外では電子チケットを含めてスマホ一つで旅行する環境が充実しつつある。スマートEXも訪日外国人客の利用を視野に、年内のサービス開始を目指している。海外から予約できるシステムの構築には、多言語対応のほか現地の法規制への配慮も不可欠だという。
JR東日本の冨田哲郎社長は「鉄道のチケットが紙から電子に変わるのは時代の要請」と話す。同社のICカード「Suica(スイカ)」はスマホなど携帯端末に登録して使える。東北・上越新幹線などに利用できるほか、既存のエクスプレス予約にも、会員登録さえすれば対応してきた。今後も電子チケットの拡大を検討しており、2020年の東京五輪前の実現を目指す。
(文=小林広幸)
日刊工業新聞2017年9月7日