氷点下でも凍らない「過冷却水」、温度が下がるとどろどろに

阪大など、粘度化の仕組み解明

  • 1
  • 10
注がれた衝撃で凍る過冷却水(興和の藤野丈志氏提供)
 氷点下でも液体のまま凍らない「過冷却水」が、温度が下がるにつれて粘度が高まり、どろどろになる仕組みを大阪大学の金鋼准教授らの研究チームがコンピューターのシミュレーションで明らかにした。論文は米科学誌サイエンス・アドバンシーズ(電子版)に掲載された。

 研究チームによると、不純物のない水(純水)とガラスは分子構造が似ており、「純水を冷やすとガラスになるのか」という議論がある。今回の発見は、議論に終止符を打つ可能性があるという。

 常温の水は、分子同士が比較的簡単に結合と切断を繰り返している。研究チームは純水を氷点下80度Cまで冷やした過冷却状態をコンピューター上で再現。分子の結合に硬い部分と柔らかい部分があり、固体と液体の中間的な性質を持っていることを突き止めた。

 硬い部分の結合が間欠的に切れる現象も確認した。一般的な液体と異なり、「高い粘度の中でも流動する」というガラス状物質の特性を解き明かすのに役立つという。
シミュレーションで計算された過冷却水の構造(金鋼・阪大准教授ら提供)

日刊工業新聞2017年9月6日

COMMENT

昆梓紗
デジタルメディア局DX編集部
記者

過冷却水は家でも実験できます。水をマイナス5度程度で時間をかけてゆっくり冷やすと、液体のままの状態で温度を下げることができ、そこから衝撃を与えると一気に凍っていくそうです。

関連する記事はこちら

特集