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夏終了、すぐハロウィン!今年は定番お菓子や飲料も「仮装」

食品各社、“仮装商品”続々
夏終了、すぐハロウィン!今年は定番お菓子や飲料も「仮装」

「ミンティア」の限定商品(左)、「じっくりコトコト スパイシーパンプキンポタージュ」

 夏商戦の次はハロウィーン商戦―。記念日文化研究所によると、仮装を楽しむハロウィーンの市場規模は2016年に約1345億円で、前年比約1割増、5年前の2倍以上になった。商戦関連ではバレンタインデーを抜き、クリスマスに次ぐイベントとして定着しつつあり、17年はさらに拡大が見込める。食品大手各社の動向を追った。(編集委員・嶋田歩)

商戦始まる


 10月31日のハロウィーンに向けて、すでに店頭で商戦が始まっている。食品大手各社はハロウィーンの仮装にちなんだ「色」や「見栄え」を楽しめる専用のパッケージ商品を相次いで投入する。

 アサヒグループ食品(東京都渋谷区)はタブレット菓子「ミンティア」で、オレンジ×カシスMIXの限定商品を発売した。アサヒビールが12日に発売する缶カクテルも“変身”がキーワード。レモンリキュールのグリーンカクテル、パイナップルリキュールのピンクカクテルがあり、2商品を混ぜると液がオレンジ色に変化し、味もライチ味になる。アルコール分は3%と低めで、酒が苦手な若者や女性も飲みやすくした。また、他のビール類でも特別のパッケージ商品を投入し、“オトナハロウィーン”で使用価値を重視したコト消費を盛り上げる。

インスタ映え


 キリンビバレッジは東京ディズニーランドのオフィシャルスポンサーである強みを生かし、キャンペーンなどと連動し「午後の紅茶」の売り上げ増を目指す。午後の紅茶で仮装がテーマのパッケージ商品を計画中。ペットボトルの正面にミッキーマウスなどのキャラクターと英文字、裏面にメッセージデザインが描いてあり、自分の顔にあてたり、友だちのボトルと合体させたりして、集合の仮想写真が楽しめる。インスタグラムで画像を投稿するのが若い女性の間でブームになっており、これに便乗して紅茶の売り上げも増やすという仕掛けだ。

特別レシピ


 キユーピーは自社サイトで“ハロウィン特集”でかぼちゃサラダなどのレシピを紹介し、マヨネーズやドレッシングの販売増を狙う。メルシャンはチリワインの「カッシェロ・デル・ディアブロ」で、秋限定のパッケージ商品を26日に発売する。日本コカ・コーラは炭酸飲料「ファンタ情熱のオレンジ」、ポッカサッポロフード&ビバレッジ(名古屋市中区)は粉末スープ「じっくりコトコト スパイシーパンプキンポタージュ」を、いずれも11日に発売する。共通のキーワードは“オレンジ色”。ハロウィーンの定番であるお化けかぼちゃになぞらえ、商戦気分を盛り上げる。サントリー食品インターナショナルも果汁飲料「なっちゃん」で、限定パッケージ商品を計画する。

 8月の関東地区は多雨だったこともあり、夏商戦の挽回として、食品大手各社はハロウィーン商戦に力を入れる。
日刊工業新聞2017年9月5日
昆梓紗
昆梓紗 Kon Azusa デジタルメディア局DX編集部 記者
秋は旬の食材が豊富なので新商品が出しやすい時期。そこにハロウィンが加わったことで見た目にも工夫をこらしたものが増えてきました。

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