《中堅電子部品メーカーの生きる道#05》FDK&SMK

SMKの池田社長(左)とFDKの望月社長

**FDK・望月道正社長 ―4月から3カ年新中期経営計画が始まりますが骨子は。 「材料開発強化で製品力を高めるなどし2019年3月期に売上高1000億円(16年3月期見通しは800億円)、営業利益率7%(同1・6%)を目指す。主要数値目標に投下資本利益率を加え、同15%以上と設定した。業容拡大に加え財務構造の一段の健全化を目指す」 ―富士通テレコムネットワークスの一部電源事業を取得しました。 「生産設備や基地局向けの電源事業を取得した。今後生産拠点の最適化や部品調達の合理化を進めるほか、当社の電池などと組み合わせた高付加価値品の開発を加速させたい。電源事業は利益改善の余地が大きく全社収益をけん引する事業になると期待している」 ―主力の電池・電子部品事業はどう攻めますか。 「電池事業は引き続き車載・産業機器向けのリチウム電池、ニッケル水素電池の需要を着実に取り込む。課題の電子事業はスマートフォン向けで小型・大電流対応を特徴とするコイル開発に成功し、本格的な量産開始向け準備を進めている。今後3年は減価償却費に加え、営業利益の半分まで年間の設備投資計画を引き上げる」 ―旭化成とのリチウムイオンキャパシター事業を解消しました。 「車載・産機向けを狙ったが想定以上に市場立ち上がりが遅かった。当面ほかの製品に経営資源を集中する」 【記者の目/高付加価値品に活路】 中国経済減速の影響で、足元は電池事業が苦戦。だが、ここ1―2年で光部品事業の売却をはじめ事業の選択と集中が進み、業績は成長軌道に入ったといえる。今後は電池と電子部品、電源などを組み合わせた他社にない高付加価値品の開発を積極化し、採用を広げ競争力を高めることが成長に必要だ。 (聞き手、文=下氏香菜子) ―リモコンなどを製造するFC事業が4年ぶりの黒字です。 「白物家電向けやセットトップボックス向けリモコンの好調が大きい。リモコンのトレンドは赤外線(IR)から高周波(RF)にシフトしつつある。高付加価値部分で勝負できる。高機能化で他社との差異化を図る」 ―各社とも車載関連が好調です。 「電子化の進展で市場規模拡大が見込まれる車載関係は、当社でも好調かつさらに伸ばしたい事業の一つ。車載対応の設計思想を取り入れて開発を進めていく。SMKだけで完結せず、大学やベンチャー企業を巻き込んだオープンイノベーションを起こしたい」 ―フィリピンの第2工場が稼働しました。 「タッチパネル専用工場だったが、2年前にコネクターを、15年にリモコンを作り始めた。第3工場用地も取得済みで、必要に応じて増強できる。今後、人件費高騰などリスクのある中国では中国納入分の生産をメーンにし、中国以外の海外向け製品はフィリピン工場で生産していく」 ―ウエアラブルやモノのインターネット(IoT)など新たな市場が広がっています。 「特に力を注ぎたいのは環境。現在は太陽光発電向けコネクターを販売しているが、今後はHEMS(ホームエネルギーマネジメントシステム)にも進出したい。ビル1棟を対象とした事業にもチャンスがあるとみている。パートナー企業とも連携しながら新しい販路を開拓し、積極的に展開していきたい」 【記者の目/産業機器市場に軸足】 15年はリモコンや車載関係など、民生市場向け製品が軒並み好調。一方、池田社長は「徐々に産業機器市場に軸足を移したい」とも話す。競合他社も重視する市場だけに、製品開発から市場開拓まで課題は多い。オープンイノベーションで外部リソースをうまく取り込むことができれば、新たな成長軌道も見えてくる。 (聞き手、文=南東京・門脇花梨)

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