大成、鹿島、竹中...ゼネコンの建設ロボ導入が止まらない!「残業規制」が背景に

ロボット溶接工法(大成建設の「T―iROBOウエルディング」)

大手ゼネコン各社は建設ロボットを現場に相次ぎ導入する。2020年度は大手5社が開発するロボット溶接工法をはじめ、搬送系や「耐火被覆吹付ロボット」の適用が増える。現場作業の効率化に加え、実際に使って改良を重ねて完成度を高める狙いがある。人手不足対策だけでなく、「残業規制」の適用開始が迫っていることも背景にある。(取材・神谷信隆) 「建設ロボットは早く現場に出して、たたかれてもまれないと進化しない」。大成建設の村田誉之社長はこう強調し、「試作品を作って終わりでなく、汎用性を高めないと価格が下がらない」と続ける。同社はあらゆる柱形状の溶接を実現したロボット溶接自動化工法「T―iROBOウエルディング」を、自社設計・施工の中高層ビルなどに導入する。 鹿島は建築生産プロセスを変革する「スマート生産ビジョン」をモデル現場以外に、希望がある全国の現場に順次展開する。押味至一社長は支店の現場を通じて、「協力会社の若い人にロボットを使ってもらい、若い担い手が魅力を感じて入職を促したい」と、プラスの連鎖をもくろむ。 同社は竹中工務店とロボット施工、IoT(モノのインターネット)分野で技術連携を決定。開発済み技術の相互利用により、竹中の清掃ロボットを現場に使う。一方、竹中は実績が豊富な鹿島の溶接ロボットを自社の現場に活用する。 大林組はロボット溶接工法を実用化し、現場適用を拡大中。耐火被覆工事の省人化や作業環境の改善を実現する耐火被覆吹付ロボットは試作機を開発した。実用化へ改良を重ね、20年度の現場適用を目指す。 清水建設は次世代建築生産システム「シミズ・スマート・サイト」を担う水平搬送や多能工、溶接の各ロボットを現場に導入する。井上和幸社長は「生産性向上に特効薬はない。ロボット開発、人工知能(AI)やIoTを取り入れた新技術、新工法を考え、“合わせ技”で生産性を上げる」といい、技術陣の奮起を促す。 建設業界は24年4月に時間外労働の罰則付き上限規制(残業規制)が始まり、約15%作業時間が減る。生産性向上が喫緊の課題となっており、各社の現場導入を後押している。 <関連記事>

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