工作機械受注、回復は4―6月か。カギは「5G・半導体」投資

次の好況時に向けた準備が必要だ(18年の日本国際工作機械見本市)

2020年の景気動向を占う上で、先行指標として注目される生産財系の機械産業。国内外の政治や経済、社会情勢の影響を受けやすく、その行方に今年も目が離せない。19年は米中貿易摩擦のあおりを受けて、停滞感が漂った。米中摩擦が沈静化の方向にある中、底打ちのタイミングは―。工作機械の動向を見る。 20年の工作機械市場は、19年から横ばいの1兆2000億円規模になる見通し。19年12月まで足元の受注は調整局面で、同9―11月は単月の受注額が800億―900億円台にとどまった。 20年も同様のペースで推移すると年間で1兆円強に落ち着く計算だ。好不調の判断目安は単月で1000億円とされ、年間1兆円は「不調」の水準だ。世界の自動車市場は減速が継続するとの見立てが優勢。期待される第5世代通信(5G)などに関連する半導体関連投資が、どこまで全体の需要を押し上げるかが焦点の一つだ。 19年は年間で1兆2000億円強になったとみられる。だが、19年の年初は1月が1254億円、3月が1306億円と、空前の活況を呈した18年の“余韻”が底上げした。月平均では「好調」水準の1000億円を確保するが、19年末の受注水準は800億円台で推移。「好調」とはかけ離れる。 受注回復時期を早ければ今春とする声は多い。日本工作機械工業会(日工会)は、反転のタイミングを20年4―6月と見込む。飯村幸生会長(東芝機械会長)は「半導体関係の在庫調整が見えてきた。5G向けの投資、各国の景気刺激策を勘案した」と背景を語る。オークマの家城淳社長は「底入れは最悪4月以降」と慎重ながら「半導体製造装置向けの需要は回復の基盤になる」と指摘する。 工作機械メーカーを対象にした調査でも、年明けに市況が持ち直すとの見方が強まってきた。日工会が19年12月上旬に実施した受注動向見通しによると、20年1―3月期の景気動向指数(DI、「増加」と答えた企業の割合から「減少」と答えた企業の割合を引いた値)は、6四半期連続のマイナス25.0。だが、前回調査(19年9月上旬実施、19年10―12月期見通し)のマイナス41.7から16.7ポイント改善した。内訳は「増加」が前回調査比1.4ポイント増の5.6%、「減少」が同15.3%ポイント改善の30.6%、「保合」が同13.9ポイント増の63.9%だった。 さらに、経済の重要指標の一つに、中国国家統計局が公表する製造業購買担当者景気指数(PMI)がある。19年11月の製造業PMIは、前月比0.9ポイント上昇の50.2となり、景気判断の基準である50.0を7カ月ぶりに上回った。また、英調査会社IHSマークイットが公表した19年11月のドイツ製造業PMIは44.1と2カ月連続で増加。目安の50.0を下回るが5カ月ぶりの高水準だった。 <関連記事> ● ● ● (取材・六笠友和)

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