訪日需要で存在感増す関西3空港、次の起爆剤も

開港25周年を迎えた関西国際空港

訪日観光需要の増大を背景に航空旅客需要が拡大する関西。開港25年を迎えた関西国際空港(関空)は、関西の玄関口として各地への誘客に期待がかかる。関空、大阪国際(伊丹)空港、神戸空港の関西3空港を運営する関西エアポート(大阪府泉佐野市)の山谷佳之社長は「関空はゲートウェー(玄関)空港として成長を遂げる」と方針を明確にする。 関空は24時間運用で2本の滑走路を有するなど高いポテンシャルを持つ。国際線の就航本数や旅客数を伸ばし、首都圏に並ぶ国際拠点空港となった。 関空の特徴は、目的地としての利用が多い点。国際線のうち、他国への乗り換えは全体の約1%にしか満たない。関西エアの山谷社長は「関空に到着した旅客が地方を回遊し、国内産業の多くを占める観光業を潤すモデルを構築しつつある」と手応えをつかむ。 日韓情勢の不安定化により韓国便が減少するも中国をはじめ国内外に定期便のネットワークを拡充した。3空港における2019年4―9月の総旅客数は前年同期比11%増の2644万人に達した。 民営化後、大きな試練となったのは18年9月、台風21号の到来だ。空港島の浸水や連絡橋へのタンカー衝突により関空が孤立、海上空港のもろさが露呈した。これを教訓として事業継続計画(BCP)を策定。19年8月に発生した大型の台風10号では、空港内に取り残された旅客へ寝袋を配布するなど対応に当たった。 25年の大阪・関西万博などを起爆剤に航空需要の増大を見込み、発着枠や運用時間拡大の議論もスタートした。3空港は、すでに環境アセスメントで想定した年間発着回数の上限に達しつつある。関西3空港懇談会(松本正義座長=関西経済連合会会長)では、国内空港である神戸空港の発着枠拡大や運用時間の延長に合意。25年までに国際化を見据えた議論が進む。 空港運営に民間の知恵を発揮し、地域と連携しながら観光・ビジネス需要のさらなる創出が求められる。(取材=神戸・中野恵美子)

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