「首里城」復元、漆器職人の育成待ったなし

進む高齢化、郷土への愛着と誇りが新たな振興に

焼失前の正殿

 沖縄の悲しみは、しばらく癒えそうにない。主要な建造物が焼失した首里城は地元にとって文化や平和のシンボルであるとともに、心のよりどころでもある。  政府は復元に全力を挙げる方針を表明したが、装飾に携わる伝統工芸職人の人材不足は深刻だ。琉球王朝時代に海外からの賓客をもてなした漆器もそのひとつ。琉球漆器事業協同組合前理事長の上原昭男さんは「首里城復元は職人の育成を同時並行で進めなければ…」と話す。  30年前に350人ほどいた県内の漆器職人は、現在では約50人に減少。沈金や螺鈿(らでん)など高度な技術を持つ職人は少数に限られ高齢化している。首里城の外壁修理に従事してきた30―40代の漆塗り職人を漆器職人に養成できれば「伝統工芸だけでなく、観光の振興にもつながる」と期待をかける。  沖縄県は2日、ふるさと納税サイトなどで寄付金の募集を始めた。地震で損壊した熊本城の修復には、9月末までに41億円の寄付金が寄せられている。首里城復元も支援の輪が広がるといい。  文化遺産を守るのは、火災警報器やスプリンクラーだけではない。郷土への揺るぎない愛着と誇りが必要だ。「なんくるないさー」の心意気で、一日も早く首里城をよみがえらせたい。

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