大日本印刷がJリーグの試合会場で見つけた新たな商機

キャッシュレス玩具販売に長蛇の列

電子チケット&キャッシュレス運営の実証試験で設置(昨年11月、パナソニックスタジアム)

 2018年11月にパナソニックスタジアム(大阪府吹田市)で開かれた、サッカーJリーグのガンバ大阪対ファーレン長崎戦。試合前、「ガチャガチャ」と呼ばれるカプセル入り玩具販売機に長蛇の列ができた。キャッシュレス決済の採用もあり話題を呼んだ同販売機は、大日本印刷がつつう(東京都台東区)と共同で企画したものだ。ガンバ大阪の選手の顔写真入りのコインケースをカプセルに入れて販売したところ、午前中に完売御礼の札が出た。  この日はパナソニックやぴあなどと共同でスタジアム運営の電子化に向けた実証試験を行った。観戦者は全員、非接触ICチップ入りのバンド型端末をかざして入場する。さらに施設内の買い物にも同端末を使い、現金を使わないキャッシュレス決済を適用した。  この一環で設置されたのが同販売機だ。キャッシュレスのメリットとして、端末をかざすだけで、「駅の改札をICカードで通過するように支払いを効率化できる」(大日本印刷)。運営者側は釣り銭がなくなるため管理が楽になることに加え、価格を「120円、130円のような端数に設定しやすい」(同)のも特徴だ。  想定以上の注目度に驚いたという沼野芳樹執行役員は、「試合前やハーフタイムの時間を利用した、新しいビジネスに期待できる」と手応えを口にする。ICカード事業を手がける同社にとっても新たな商機が開ける。  日本のスタジアムは現状、収入源が入場料と飲食店などに限られる。今回の玩具販売機のような企画を打ち出せれば、スタジアムは新たな稼ぐ手段を手にする。その利益はスポーツに再投資して競技を発展させられる。  提携先のつつうは、益基樹脂(埼玉県三郷市)の関連会社。樹脂部品加工に加え、自社製品の展開に注力する中小企業。益基樹脂にとっても新たな挑戦だ。 (文=大阪・平岡乾)

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