キヤノン、プリファード…経営者5人が語る『ポスト平成』

連載「ポスト平成の経営者」(1)~(5)

 新元号が4月1日に公表されることになった。日刊工業新聞とニュースイッチでは、バブル崩壊やリーマン・ショックなど激動の平成を支えたベテラン経営者と、今後を担う若手経営者に「ポスト平成」への提言・挑戦を聞くインタビューシリーズ「ポスト平成の経営者」を掲載している。これまでに掲載した5人の経営者の語る未来の一部を紹介する。 「(バブル崩壊などの世界の激変に飲み込まれないためには)世界の情勢に乗らないことだ。個々の企業にペースや体力がある。AIのように新技術も、企業側が体力と適応性を高めながら導入する。流行だからと、似つかわしくないものをバッと入れると良くない」 「企業の最も大きな体力は、付加価値を生む力。付加価値は、需要を創り出すことで高められる努力を続ければ、企業の体質になる」 「バブル崩壊後に社会人になった40代以下の人たちは、どうやったら良くなるか肌で感じたことがなく、『勝つ味』や『勝ち方』を知らない。だから、おっかなびっくりになる。この世代に勝つ味を覚えてもらいたい」 「日本は島国で流動性が少ない。一部の業種は異なるが、大多数は終身雇用で落ち着いて生涯を暮らしたいと思っている。私は大多数の考えに土台を置き、経営したい。終身雇用も、流動性社会も、良い面と悪い面がある。完璧に全て良い“シャングリラ”は世の中にはない」  「グローバル化には矛盾や副作用もあり、平成の終わりに急激に顕在化してきた。だが、グローバル化は止まらない。国際政治で矛盾を再調整し、良い形で続ける努力を人類は迫られている」 「各国の文化や考え方に沿う、多様性を重視した経営が一番合理的だ。米国的な合理主義が全てではない。国際人は無国籍人ではない」 「今は良いビジネスモデルは瞬時に世界中へ飛び散る。日本で成功した後に海外へ出ると、すでに大きな競合がいる。だから、本当に世界で勝つにはマルチプル(複数地域で同時)にやるしかない」 「新事業は失敗して当たり前で、踏み込んで初めてわかることが多すぎる。早く始めた方が成功の確率が上がり、失敗のダメージも少ない。必要なのは修正力だ普通の人がエネルギーを持つには大きな挫折がいる。失敗はエネルギーが溜まっていると思えばいい」 「バブル期を知る最後の世代として、日本はこのままでいいのかと思っている。『世界で勝つ』は会社の設立趣意書のようなもの。難しくてもあえてやる」 「(ミドリムシなどを原料とするバイオ燃料工場が完成し、)平成時代の研究成果を次の時代に発揮する出発点に立った」 「(ベンチャー企業の規模を100億円まで育てて、)豊富な経営資源を持つ大企業とのオープンイノベーションで、アジアへ一気に展開し、首位を取る。日本が復活するには、これしかない」 「壮大な計画でイノベーションを促す〈ムーンショット〉やグランドデザインは欧米が得意とするが、平成の次の時代は、そのイニシアチブも日本がとりたい。実現に必要な技術の多くは日本発でも、最大の功績はビジョンを発信した海外の人では、日本に元気が出ない」 「日本はモノづくりのノウハウが豊富。エキサイティングなテーマを設定できれば、日本が中心になることは難しくない。ハードとソフトの両方で、事業成長できる場所は世界にそうない」 「ロボットは周囲を認識してデータ化し、アクションを起こせる。バーチャルな世界で培われた先端技術と、現実世界がロボットを介してつながれば、インパクトが大きい。パソコンやスマートフォンが世界を変えたように、ロボットで技術も社会も進展させたい」 「誰もがコードを書き、自由自在に自分で自分のロボットを動かせるようにしたい。そんな世界がどんなものか想像もつかないが、その世界を僕らはやっていきたい」

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