パリ協定運用へ、COP24で問われる日本のCO2削減の本気度

 国連の気候変動枠組み条約第24回締約会議(COP24)が12月2日、ポーランド・カトヴィツェで始まる。温暖化対策の国際的な枠組み「パリ協定」を運用するルールブック(実施指針)を決める重要な会議だ。2017年のCOP23で日本は気候変動対策に消極的な国として烙印(らくいん)を押された。ルールブックの採択とともに日本の挽回に注目だ。  パリ協定は京都議定書の後継として20年以降に始まる。15年のCOP21で産業革命前からの気温上昇を2度C未満に抑える目標は合意したが、細かいルールまでは決まっていなかった。  COP24の議論で焦点となるのが、各国の温室効果ガス削減の取り組みの報告方法だ。パリ協定は参加国が自由に目標を設定できる。その目標に対する進捗(しんちょく)を国際社会が確認できる「透明性」を確保する手段をルールブックに明記する。  途上国には過去からの排出が多い先進国が責任を負うべきだという考えが根強い。先進国は途上国も排出削減に取り組んでほしいと主張しており、「透明性」のレベルが対立点だ。  5月時点でルールブックのたたき台となる文書は「透明性」の項目が67ページと最多だったが、現在は43ページまでスリム化した。意見が集約されているが、予断は許さない。  また現状の文書では「市場メカニズム」の項目が70ページともっとも多い。市場メカニズムとは他国から削減量を購入し、自国の削減実績に加算する排出量取引のルール。現状の京都議定書では国連の管理下で取引されている。国と国との自主ルールでの取引も削減実績に認めてほしいという主張も多く、議論は難航しそうだ。  COP交渉に詳しい地球環境戦略研究機関の水野勇史ディレクターは「ルールブックは採択される可能性が高い」とみている。パリ協定の採択から3年がたっても合意ができなければ「協定の信頼性に傷がつく。先進国、途上国とも妥協するだろう」と予想する。  ルールブックの議論とは別に、温室効果ガス削減の意欲を高める「タラノア対話」と呼ばれるイベントが12月11日に開かれる。円卓に閣僚級が入れ替わり着席し、メッセージを発信する。  原田義昭環境相が出席した場合、日本の代表として発言が注目される。  COP23ではNGOが石炭火力発電の廃止を各国政府に迫り、カナダや英国などが脱石炭連盟を発足。石炭火力を増設する日本は世界から批判を浴びた。パリ協定参加国が策定する長期戦略も日本は未提出となっており、風当たりが強い。日本の取り組みを海外に発信できるタラノア対話が名誉挽回の機会だ。  リコーや富士通などが参加する日本気候リーダーズ・パートナーシップ(JCLP)は30日、2050年に日本の温室効果ガス排出の実質ゼロ化を求める提言を公表する。政府が目指す80%減よりも厳しい削減目標を掲げることで、世界に先駆けて排出ゼロの“脱炭素”を達成し、ビジネス機会獲得による経済成長も目指す。  JCLPは温暖化対策に積極的な企業の組織。イオン、LIXILなども含め90社が活動する。政府で検討中の温暖化対策の長期戦略に反映しようと提言をまとめた。排出ゼロに向け、二酸化炭素(CO2)に価格を付けて企業などが排出に応じて費用を負担するカーボンプライシング(CP)の導入を訴えた。経済団体はCPに反対しているが、JCLPはCPが省エネ製品の市場創出の後押しになると指摘。国内でCO2削減事業の開発・育成が促され、海外市場の獲得にもつながると訴えた。

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