どうする「海洋ゴミ」問題、明日からのG7会合は日本が主導?

死んだウミガメと、体内から見つかった多数のプラスチック片(豪連邦科学産業研究機構提供)

 カナダ・ハリファクスで18日、主要7カ国(G7)環境・海洋・エネルギー大臣会合が始まり、海洋ゴミ問題の議論が熱を帯びそうだ。6月のG7首脳会議がまとめた「海洋プラスチック憲章」に日本は署名しなかった。今回のG7大臣会合で中川雅治環境相は憲章よりも高い目標を日本が設定する考えを表明する方針だ。  G7環境・海洋・エネルギー大臣会合は2日目(19日)に循環経済など資源問題を話し合い、3日目(20日)は午前を海洋ゴミ問題の議論に充てる。議長声明や関連文書の採択が予定されている。  海洋ゴミとなる微小なプラスチックは、陸で廃棄されたプラ製品が海へ流れ、砕けて細かくなったと考えられる。魚や貝に蓄積されると生態系を破壊するため、新たな環境汚染として国際社会が警戒を強めている。  6月に同じカナダのシャルルボワであったG7首脳会議では、具体的な対策を求める「海洋プラスチック憲章」がまとめられたが、日本と米国は署名しなかった。憲章には「2030年までにプラ容器のリサイクルか再利用を55%以上、40年までに100%にする」などの期限付き数値目標があり、日本政府は産業界や国民生活への影響を懸念した。  今回のG7大臣会合で中川環境相は「日本が問題に取り組んでいることを紹介する」と語る。具体的には、環境省の審議会で議論中の「プラスチック資源循環戦略」を紹介する。  その戦略には、使い捨てプラの削減や再利用を徹底する数値目標を盛り込む。中川環境相は「海洋プラ憲章を超えるものにしたい」とし、さらに「途上国も共同した対策が大事。G7の枠組みを超え、20カ国・地域(G20)で実効性のある取り組みにする」と意気込む。19年6月に大阪で開かれるG20首脳会議で戦略を発信し、議長国となる日本の指導力を示したい考えだ。  国内では業界団体も対策に乗りだした。日本化学工業協会、石油化学工業協会など化学5団体は7日、「海洋プラスチック問題対応協議会」を設立した。情報を発信し、アジア諸国で廃プラが適切に処理されるように働きかけていく。  会長に就任した日化協の淡輪敏会長(三井化学社長)は海洋プラ憲章の数値目標について「デリケートな問題。対象分野をはっきりさせないと有効ではない」と語った。一方で「政府方針とも齟齬(そご)のないようにしないといけない」としており、数値目標をめぐって政府と産業界で調整が行われそうだ。 (文・松木喬)

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