課題山積みの豊洲市場、10月開業は間に合うの?

商業施設「千客万来」着工めどたたず

追加対策工事が進む豊洲市場

 豊洲市場(東京都江東区)が開場する10月11日まで、残り半年を切った。土壌汚染対策の安全性をより高めるために行っている追加対策工事は順調に進み、専門家会議が行う工事の有効性評価・調査も7月中に結果を公表できる見通しとなった。一方、東京都が市場内に開設を予定する商業施設「千客万来」は事業予定者の万葉倶楽部(神奈川県小田原市)との交渉が継続中で、事業が実現するかどうか結論は出ていない。都が取り組む課題はなお山積している。  2017年の都議会選挙直前に小池百合子知事が打ち出した「築地は守る・豊洲を生かす」方針で事態は一転した。築地市場(東京都中央区)跡地を「食のテーマパーク」にすれば万葉倶楽部にとっては競合施設となり、受け入れがたい構想だ。  築地再開発検討会議の具体的な結論も5月中・下旬までは固まらず、全容も明らかになりそうにないため、万葉の経営陣もゴーサインの判断ができないのが実情だ。  そもそも、豊洲市場の受け入れ条件として集客のための商業施設を開設するのが都と江東区との約束だった。千客万来の開業を実現するため1日、小池知事は急きょ、万葉倶楽部を訪れ、高橋弘会長と初めて会談したものの、協議は今も継続中だ。  都が取り組むべき課題は他にもまだある。それは豊洲市場で働くすべての業者と連携し、計画通りに開場日を迎え、きちんと市場が機能するよう整備することだ。そのために都は特に三つの事項に取り組む必要がある。  まずは引っ越し作業計画の完遂だ。10月7―10日の4日間で業者の引っ越しをすべて終わらせる必要があるため、業者の理解と協力も得なければならない。第二に、場内が働きやすい環境となっているか確認作業を事前に実施する必要がある。賃貸で借りる売り場とはいえ水産も青果も業者が毎日使う職場のため、床面はそのままで大丈夫なのかなど、売り場や場内の使い勝手を業者の声を聞きながらよりよく改善する必要がある。  第三に、習熟訓練は欠かせない。1月には豊洲市場内で水産卸業者や仲卸業者ら約3000人が参加した大規模な習熟訓練を初実施した。今後も新しい場内での走行に慣れるため、小型運搬車「ターレー」を使った実地訓練を繰り返し行う必要がある。

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