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東京都が今、なぜ企業立地に力を入れるの?

 東京都は都内への立地を希望する企業などに対し、立地に関する情報やアドバイスをワンストップで提供する「企業立地相談センター」(中央区日本橋)に開設した。都内ではモノづくり企業の減少や大規模工場の撤退が相次ぎ、東京の製造業の衰退が懸念されている。町工場が撤退した後にマンションなどの住居で活用するのではなく、工場用地としての活用を促し、都内での製造業の維持・発展を目指す。

 企業立地相談センターは、都からの業務委託事業として、URリンケージ(東京都中央区、渡邊輝明社長)が設置。同社は事業用地の情報提供や販売、工業団地・企業誘致の実績があり、国や地方自治体などの事業支援ノウハウも持つ。

 国内外の企業から寄せられた工業系で使える都内の土地・立地情報の問い合わせ・相談に対し、同センターを通じて協力事業者である不動産業者が適合する物件があるかどうかを回答する。物件を紹介された後の売買は、通常の不動産取引仲介手数料を相談企業側が不動産業者に支払う仕組み。協力事業者としては、東京都宅地建物取引業協会(東京都千代田区)、全国不動産協会東京都本部(同)に加盟する不動産業者を予定する。

 今後、都のホームページ「産業立地ナビTOKYO」内に、同センター専用ページを追加し、相談予約ができるようにする。区市町村向けセミナーと、立地希望企業向けセミナーも年に1回ずつ実施する。

記念セミナー・個別相談会開催


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日刊工業新聞記者
日刊工業新聞記者
同センターでは、問い合わせ企業の規模は問わないが、特に起業を考えている方や中堅・中小企業からのニーズに叶う物件探しに応えたいとしている。都内の公的なインキュベーション施設や、店舗、工場団地や工場アパートなどの紹介と合わせ、区市町村が用意している補助金など助成制度も併せて紹介する。記事にもあるように、物件成約後の売買は不動産手数料がかかるが、相談は無料。東京都が運営する施設なので、事業者からの問い合わせのハードルも低いのではないか。 (日刊工業新聞デジタルマーケティング室・谷真由美)

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