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ロボット3000台を内製化して世界の生産拠点に導入する自動車部品メーカー

ミツバ、モーターの組み付けラインを自動化
ロボット3000台を内製化して世界の生産拠点に導入する自動車部品メーカー

内製するパラレルリンクロボット

 ミツバは2024年をめどに、国内外約30カ所の生産拠点へロボット3000台を導入する。導入するパラレルリンクロボットや無人搬送車(AGV)は内製し、導入費用を抑える。一部は他社製の多軸ロボットなども導入する。世界の自動車市場は中長期的に拡大傾向にある。同社はロボット導入で人員増を抑えつつ、主力の自動車部品の生産能力を高める。工場でのロボット活用は大手から中堅企業まで広がっているが、内製中心のロボット導入は珍しい。

 ミツバはロボットを活用して、モーターの組み付けラインなど手作業を中心に部品加工など幅広い工程を自動化する。自社製のパラレルリンクロボットや他社製の6軸多関節ロボット、リニア機構、2軸などをラインに組み込む。投資額は30億円以上を見込む。

 電動カート用モーターの組み立て工程など生産個数が少ない品目のラインで、試行的に導入。500台を稼働して、一定の効果が見込めたことから工程のムダを省いたラインを優先して全社展開する。

 同社はパワーウインドウ用モーターやワイパーシステムなどを手がける。こうした部品で培ったモーターや制御の技術を生かしたパラレルリンクロボットやAGVを、自社の生産ライン向けに本格的に内製する。外部のロボットを採用するより導入費用が抑えられると判断した。

 ロボット生産ラインの設置場所は年内に決める方針で、福島工場(福島県田村市)が有力。年間300台ペースで生産する。軌道に乗り次第、ベトナム、インドネシアを候補に東南アジアでも生産を始める。

 同社は生産関連の法人を国内9法人、海外23法人持つ。現場からのロボット導入に向けたアイデアコンテストや、からくりを使った改善、生産システムの高度化なども進め、売上高営業利益率を現状の約7%より高める。
日刊工業新聞2017年6月19日
明豊
明豊 Ake Yutaka 取締役デジタルメディア事業担当
2024年とかなり先にように思われますが、担当記者に確認したところ経営計画の最終年度ということで、すでに一部で導入も始まっており前倒しで実現する可能性もあるとか。ロボットが外販せずすべて自社用という。ミツバはワイパーやパワーウインドウモーターなどを主力とする独立系メーカー。自動車部品の生産工程におけるロボット化として興味深い動きです。

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