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早くも就活内々定30%超え。「得意淡然、失意泰然」としてられないのは誰?

将来、労働人口の49%がAIに?
 得意淡然、失意泰然という。事実上、年明けから本格化した来春卒学生の採用活動。その成果が出る時期に入った。といっても、得意なのは優秀な学生を採用できた企業。採れなかった企業の採用担当者は泰然としてはいられない。

 超売り手市場は新たな採用フライングを生む。6月から面接や筆記試験などの選考が解禁されたが「すでに“面談”に名を借りた面接が横行し、内々定をもらった学生は30%を超える」(マイナビ幹部)そうだ。

 思えばほんの少し前、就職氷河期といわれた時代があった。採用側は淡然と面接し、泰然と断った。採用にあぶれた学生たちは、いや応なく非正規社員として社会に出た。隔世の感である。

 就職活動は経済的合理性と表裏。つまり景気次第なのだが、この法則が当てはまらなくなる研究がある。野村総合研究所は国内の601の職種で、技術的に人工知能(AI)が代替し得る確率を試算。その結果、将来は労働人口の49%をAIが取って代わる可能性があると推計している。

 最難関の就職試験として名高い中国の「科挙」。合格者は得意げに、長安の町を肩で風を切って闊歩(かっぽ)した。“選ばれた”AIが泰然と仕事をこなす姿を見たいような、見たくないような…。

日刊工業新聞2017年6月5日
明豊
明豊 Ake Yutaka 取締役ブランドコミュニケーション担当
「社員教育の8割が採用で決まる」というのはある大手企業の社長。会社に入っての伸びしろは2割程度という意味だ。それなら採用担当者も焦るだろう。大手企業に入社した優秀な人材とて、そこから厳しい選抜がすぐ始まる。企業は従来のような育成システムでは、グローバル競争に勝ち残っていけない危機感を持っている。さらにいえば大事に育てた人材も企業の知名度やブランドに関係なく、「仕事」や「モチベーション」であっさり転職する時代。誰も「得意淡然、失意泰然」とはしていられないのだろうが、AI問題に関していえば個人的に、大きく煽る必要なないと思う。その時代で人がする仕事は必ず生まれる。

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