イオンVSセブン&アイ、生鮮食品PBの安全と環境配慮で競う
「消費者の購買動機になる日は近い」
国内の小売り2強であるイオンとセブン&アイ・ホールディングス(HD)が、生鮮食品のプライベートブランド(PB)で火花を散らしている。セブン&アイ・HDは農水産物などを対象に、PBの新ラインを設定。イオンは2020年の東京五輪・パラリンピックを視野に、PBの農産物と畜産物の全商品を対象に、食品安全や環境配慮に関する国際認証「グローバルGAP」などの取得を目指す。価格の安さだけではなく、安全や環境といった特徴で幅広い需要をつかむ。
セブン&アイ・ホールディングスは3月、PBの新ライン「セブンプレミアム フレッシュ」の展開を始めた。農産物や鮮魚、精肉や卵が対象だ。土壌や飼料などを管理し、味や安全面を訴求する。20年2月期に500億円の売上高を目指す。
同社がセブンプレミアムの展開を始めてから10年が経過した。井阪隆一社長は「セブンプレミアムの認知度は上がってきた。そのブランド価値を生鮮品にも使いたい」と狙いを話す。ラベルなどに使うインキについても、20年2月末までにすべて植物性にする予定。
イオンは農産物などのPB商品に国際認証を取り入れることで、食に対する安全や安心、地球環境に配慮したブランドの価値を訴求する。水産物も、サステナビリティ(持続可能性)をふまえた収穫、養殖方法の裏付けができる魚種を提供する方針だ。
三宅香執行役は「サステナビリティを満たした商品であることが、消費者の購買動機になる日は近い」と説明する。16年10月にはPB「トップバリュ」の安心・安全配慮型商品「グリーンアイ」に、フリーフロムシリーズなどを加えた。
イオンは16年11月から、トップバリュの値下げも順次実施。岡崎双一イオンリテール社長は消費者の意識変化について「1人のお客さまが安い商品を求めることも、価値訴求に反応することもある」と、多様性の深まりを指摘する。商品戦略に「メリハリをつける」ことが欠かせない。
(文=江上佑美子)
セブン&アイ・ホールディングスは3月、PBの新ライン「セブンプレミアム フレッシュ」の展開を始めた。農産物や鮮魚、精肉や卵が対象だ。土壌や飼料などを管理し、味や安全面を訴求する。20年2月期に500億円の売上高を目指す。
同社がセブンプレミアムの展開を始めてから10年が経過した。井阪隆一社長は「セブンプレミアムの認知度は上がってきた。そのブランド価値を生鮮品にも使いたい」と狙いを話す。ラベルなどに使うインキについても、20年2月末までにすべて植物性にする予定。
イオンは農産物などのPB商品に国際認証を取り入れることで、食に対する安全や安心、地球環境に配慮したブランドの価値を訴求する。水産物も、サステナビリティ(持続可能性)をふまえた収穫、養殖方法の裏付けができる魚種を提供する方針だ。
三宅香執行役は「サステナビリティを満たした商品であることが、消費者の購買動機になる日は近い」と説明する。16年10月にはPB「トップバリュ」の安心・安全配慮型商品「グリーンアイ」に、フリーフロムシリーズなどを加えた。
イオンは16年11月から、トップバリュの値下げも順次実施。岡崎双一イオンリテール社長は消費者の意識変化について「1人のお客さまが安い商品を求めることも、価値訴求に反応することもある」と、多様性の深まりを指摘する。商品戦略に「メリハリをつける」ことが欠かせない。
(文=江上佑美子)
日刊工業新聞2017年4月24日