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イオン岡田社長の長男がグループ入り

流通大手2強のトップから子息へのバトンは渡るか
イオン岡田社長の長男がグループ入り

イオン岡田元也社長(左)とセブン&アイ鈴木会長

 イオン岡田元也社長の長男、N氏がグループ会社に入っていたことが分かった。大手流通業ではセブン&アイ・ホールディングスの鈴木敏文会長の次男、鈴木康弘氏が今年5月、HDの取締役に就任、禅譲が取りざたされ始めている。図らずも流通大手2強の代表の子息がそろってグループ入りを果たした格好で、今後の焦点は次のグループ代表を受け継ぐか否かに移ってくる。

 岡田社長の長男、N氏は大学卒業後、海外で就職したが、今年からイオングループ入り。現在グループでミニスーパーを展開する、まいばすけっと(横浜市神奈川区、大池学社長)のある店舗の店長に就いているという。

  イオン岡田社長はかねて「世襲は私で終わり」と口にしており、グループ関係者も岡田氏自身、世襲に否定的といい将来、直也氏が岡田元也社長の後を継いでグループを率いていくかどうかは未知数とみる。

 しかし、岡田社長もグループのコンビニエンスストア、ミニストップの店長から小売業の経験をスタートさせ、トップまで登りつめたことを考えると長男、N氏もいずれHDの中枢に就く可能性も否定できない。

 特に、まいばすけっとはイオンの重要戦略の一つである都市シフトの中核を担う業態。ここで「N氏に流通の基本を学んでもらう狙いがあるのではないか」(グループ関係者)という見方もある。
 
 一方の流通業界の雄、セブン&アイの鈴木会長の二男、康弘氏も今年、HDの取締役に就任、現在同社がグループ挙げて推進しているオムニチャネル事業の責任者となっている。将来のセブン&アイグループの総帥候補としては最右翼にいる。

 流通大手の〝二世〟がグループ入りしたり、グループの中枢に就いたりしたことで、今後の焦点は2人の子息を中心とした体制を築いていくかどうかに移っていく。

 岡田イオン社長にしても、鈴木セブン&アイ会長にしても現在はグループ求心力の要。もちろん、子息の実力次第だが、この流れを受け継げば、〝二世〟の方がグループの結束を維持しやすい。

 セブン&アイは鈴木会長の二男が近い将来、グループを率いるポストに就くのは既定路線といわれるが、果たして流通業界をリードする2社は次の体制をどう構築するか、注目されそうだ。
ニュースイッチオリジナル
日刊工業新聞記者
日刊工業新聞記者
イオンの岡田元也社長の長男もグループ入り。これで大手2強のトップの子息がそれぞれグループ入りしました。さて、これからはバトンが渡るのか否か。はたまたバトンが渡るとすればどういった経営体制を築くのかが注目されます。

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