断接着耐力2倍…大成建設、ボルト・接着剤併用の鉄骨材接合法
大成建設は鉄骨部材向けに、高力ボルトと構造用接着剤の併用により経済性や安全性、施工性を高めた接合法「T―Glue Joint(ボルト併用タイプ)」を開発した。2025年大阪・関西万博のテーマ事業「シグネチャーパビリオン」の建築工事で、鉄骨ブレース接合部に国内で初めて適用した。今後、載荷実験や検証結果から得られた知見と適用実績を基に、新築・改修プロジェクトでの適用拡大を目指す。
接着剤のせん断接着によって応力を伝達するため、接合面の摩擦により応力を伝達する高力ボルト接合のすべり耐力に比べて、断接着耐力を約2倍に向上。これにより接合部面積の削減や高力ボルトの本数低減につながり、鉄骨造建築物の経済性を向上できる。
接着剤を塗布した鉄骨部材を高力ボルトで圧締することで、安定した強度を保持する。大地震の発生時に接着層が破断した場合も、高力ボルトがフェールセーフとして機能し安全性を確保できる。また可使時間の長い接着剤の採用により作業時の時間的制約を解消でき、鉄骨接合部の施工性が大幅に高まる。
日刊工業新聞 2024年12月23日