曲げ・ねじり自在な木材、構造部材に活用…大成建設が新構法
「編み込み」で立体的意匠
大成建設は柔らかく曲げやねじりが自在な木質材料を建物の構造部材として適用した木質網代構法「T―WOOD Goo―nyaize」を開発した。森林伐採時に一定の割合で発生する低強度の木材の有効活用を促す効果が見込める。今後、規模や構造種別を問わず建築物の木造化・木質化を実現する技術として同構法を積極的に提案していく。
同構法は一定間隔で連立する木製柱に帯状の構造部材を左右から編み込み、上下の帯が交互に凹凸を形づくり、上下対称となるように配置する。これにより、格子状に編み込んだ網代模様の面構造部材として壁や屋根などを構築する。
構造部材の曲率は、原材料が針葉樹の場合は従来の構造用合板の10倍、広葉樹の場合は同40倍程度。容易に凹凸を付けて、滑らかな曲面を持ち立体感のある意匠の壁や屋根などを構成し、これまでにない木質空間を創出できる。
構造部材の直線部分を散在させて柱にビス留めし、柱の角部で曲面となる部分は曲がった構造部材を柱にはめ合わせることで耐震性を付加できる。地震や風の揺れへの耐力では従来の耐震壁と同等の性能を持ち、耐震構造部材として活用できることを確認した。
日刊工業新聞 2024年10月08日