擁壁工程を30%短縮、大林組・日本フュームがプレキャスト部材を3D造形
大林組と日本ヒュームは新丸山ダム建設工事(岐阜県八百津町)で、仮設の工事用管理施設において擁壁のフルプレキャスト化を実現した。規格品と建設用3次元(3D)プリンターで製作したプレキャスト部材を適用した。建設用3Dプリンターによるプレキャスト部材は、専用の鋼製型枠を製作するプレキャスト部材に比べて、型枠の製作から現場施工までの工程を約30%短縮し、約5%のコスト削減が可能となる。
大林組が蓄積してきた建設用3Dプリンター技術と、日本ヒュームのプレキャスト製品の生産力を活用。擁壁の直線部には規格化されたプレキャスト部材、規格化されていない隅角部3カ所に建設用3Dプリンターを活用したプレキャスト部材を適用し、2024年7月に擁壁設置を完了した。建設現場内で型枠を製作し、コンクリートを打設する場合と比べて、現場施工に必要な日数は約20日から1・5日に短縮できる。
新丸山ダム建設工事では、2025年度以降に着工するダムの堤体工事で、堤体内部の監査廊でもフルプレキャスト化を検討している。工程の短縮効果が見込まれる部分には建設用3Dプリンター製のプレキャスト部材を適用し、現場の生産性向上につなげていく。
日刊工業新聞 2024年12月4日