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大林組が開発したカーボンネガティブコンクリートとは?

大林組は製造工程で排出される二酸化炭素(CO2)を実質ゼロ以下に引き下げたカーボンネガティブコンクリート「クリーンクリートN」を開発した。低炭素型コンクリートとして2010年に開発した「クリーンクリート」にCO2を吸収・固定化した炭酸カルシウムを主成分とする粉体を混ぜ合わせ、カーボンネガティブを達成した。22年度中の工事適用を目指す。

クリーンクリートNは製造時のCO2排出量を最大約120%削減できる。プレキャスト製品のほかコンクリートプラントでの製造や現場打設にも対応でき、鉄筋コンクリートの材料としての利用を想定する。また新たに混合する粉体は原料にセメント系の廃棄物を使い、CO2の排出量削減だけでなく廃棄物の削減も実現した。

大林組のクリーンクリートは、CO2排出量が少ない高炉スラグ微粉末などでセメントを代替した低炭素型コンクリート。従来と同等の製造コストで製造時のCO2排出量を最大約80%削減でき、プレキャスト製品や現場打設の両方に使用できる。これまでに建築・土木で約90件(約34万立方メートル)の利用実績があり、削減したCO2排出量は累計で約6万トンに上るという。

日刊工業新聞2022年4月18日

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