LiB用バインダーの生産能力2倍、東亞合成が38億円投資
東亞合成は名古屋工場(名古屋市港区)で、電気自動車(EV)などで使うリチウムイオン電池(LiB)用バインダーの生産能力を従来比約2倍に高める。2025年12月までに設備を増強し、蓄電池にして年間1億4200万キロワット時相当を26年10月から供給する。投資額約38億円のうち、約13億円は国の助成金を活用する。
生産技術の開発や改良にも取り組む。車載電池の部材は調達競争が世界中で激化しつつあり、国内のサプライチェーン(供給網)強靱化(きょうじんか)に貢献する。同工場にある総合研究開発拠点「名古屋クリエイシオR&Dセンター」も活用し、高付加価値製品を安定供給する。
同社は負極用バインダーを17年から製造・販売している。電池の膨張抑制による長寿命化や、高イオン伝導率による低抵抗化に強みがあるという。
今回の生産増強は、経済産業省が経済安全保障推進法に基づき支援する車載電池関連の計12件の設備投資・技術開発計画の一つ。同社は生産条件の最適化や高効率化を進め、今後の需要拡大に対応するとしている。
日刊工業新聞 2024年9月11日