日立建機が世界初実証、超大型フル電動ダンプトラックの機能
日立建機はカナダ鉱山大手ファースト・クォンタムがザンビアに持つ「カンサンシ銅・金鉱山」で、超大型のフル電動ダンプトラックの実証試験を始めた。建機メーカーによる顧客の鉱山現場での超大型フル電動ダンプトラックの実証試験は世界初という。高低差のある露天掘りの鉱山で実際の稼働負荷がかかる状態で、ダンプトラックの基本性能やバッテリー充放電サイクルなどを検証し、実用化につなげる。
同ダンプトラックは積載量200トンで、日立建機のトロリー受電式ダンプトラックにスイス重電大手のABBが開発したバッテリーシステムを搭載。充電による停車を必要とせずに架線から直接給電し、連続稼働できる。
架線電力の利用によりバッテリー搭載量を抑えられる。これにより、車体に占めるバッテリー重量を軽くしてその分、鉱石の積載量を増やせるため、コストパフォーマンスの向上も見込める。
同ダンプトラックを1日20時間、350日稼働させることで、年間3000トンの二酸化炭素(CO2)排出量を削減できるという。鉱山現場で稼働台数が多いダンプトラックの電動化を推進し、鉱山企業の脱炭素化を支援する。
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日刊工業新聞 2024年07月01日