無限に延ばせる直動機構…名大・電通大が鍋屋バイテックと共同開発
名古屋大学の部矢明准教授と電気通信大学の仲田佳弘准教授らは、鍋屋バイテック(岐阜県関市、岡本友二郎社長)と共同で、無限に延ばせる直動機構を開発した。送りネジに沿ってナットを動かす際に磁力で力を伝達する。送りネジとナットは接触しないため潤滑材の管理工数を減らせる。医薬品や食品、半導体などの摺動(しゅうどう)で発生する微粉末を嫌う用途に提案していく。
らせん状の磁場を動力伝達に利用する「磁気ネジ」で送りネジとナットの動きを作る。ナット側に永久磁石を搭載し、送りネジは軟磁性体にネジ山を切る。軟磁性体はナット側からの磁場を受けると磁石にくっつき、磁場がなくなると元の鉄に戻る。らせん状のネジ山で磁気ネジのらせん構造を実現した。従来は磁石をらせん状に並べるため複雑な部品構成になっていた。
実験では送りネジを継ぎ足すように連結させ、ナットが滑らかに移動できることを確認した。一つの回転軸でどこまでも直動を延ばせることになる。過負荷がかかると磁気的な結合が外れて止まる。機構で安全機能を実現できる。
日刊工業新聞 2024年06月24日