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高さ10m垂直昇降…三菱電機、大型製品の3D計測技術開発

高さ10m垂直昇降…三菱電機、大型製品の3D計測技術開発

自動昇降機で計測器の高さを変え、調節機構で細かな角度などを調整する

三菱電機は人工衛星など大型製品の製造現場向けに、3次元(3D)スマート計測技術を開発した。従来、熟練者が角度測量器を使い特殊な方法で大型製品の寸法や位置を計測していたのを自動化できる。例えば、5、6人で4日間を要していた作業が2、3人で済み、期間も3日半に短縮できたという。少子高齢化で熟練技術者の確保が難しい環境でも製造の低コスト化と安定性を高める。

3Dスマート計測技術は人工衛星などを製造する鎌倉製作所(神奈川県鎌倉市)に導入した。10メートルまで上昇可能な垂直昇降でレーザー測定器の高さを変えられる。さらに5軸調整機構で測定器の細かな位置や上下左右の角度を調節。3Dモデルに基づいた計算で測定器をコンピューターで制御する。測定対象は回転台に載せて姿勢変更を可能にし、計測用の標的を取り付ける。標的に測定器を正対させて自動で計測を行う仕組み。

従来の計測方法では測量器の位置や角度の調整を手動で行っていた。また、計測点の探索技術が必要な上、外部環境の影響も受けやすかった。そのため機器の取り扱いに精通し、特殊な計測方法を行える熟練者が必要な高難度作業となっていた。自動化により一般的な機器取り扱い技能で対応可能になったほか、高所作業も削減して安全性も向上した。


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日刊工業新聞 2024年6月6日

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