エンジン4905台 燃費改ざん…IHI、国交省に中間報告
IHIは4日、子会社のIHI原動機によるエンジンの燃料消費率データの改ざんに関して国土交通省に中間報告を行った。2003年以降に出荷前試運転を行った内外向け全エンジン6567台のうち4905台で燃費データを改ざん、1962台は顧客に提出した仕様値から逸脱していた。さらに窒素酸化物(NOx)放出量確認試験でも国内舶用の1932台中、242台でデータ改ざんがあった。国交省は同社エンジンのNOx試験は当面、国の立ち会いの下で行うことで証書交付を再開する。
不適切行為は太田工場(群馬県太田市)と新潟内燃機工場(新潟市東区)で数十年前から行われてきた。現在の役職者を含め多くの社員が知っており、コンプライアンスや組織風土の問題が背景にあるとした。
納入前エンジンの燃費改ざんは、顧客に示した仕様値や過去の納入エンジンの値と異なる場合に行われた。海洋汚染等防止法に基づくNOx放出試験は、実測値が顧客に伝わった際の懸念から異なる燃費値で計算し認証機関に提出していた。226台は調査未完了。
同社は再発防止策として試験や検査の新たな仕組みの導入、体制構築などを出したが、国交省は未完了調査の早期完了と、抜本的・具体的な再発防止策の検討を指示した。
日刊工業新聞 2024年6月5日