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川崎重工の小型衛星用分離部、宇宙で正常作動確認

川崎重工の小型衛星用分離部、宇宙で正常作動確認

川重が製品化した「シンプルパフ」シリーズ

川崎重工業は大型基幹ロケット「H3」試験機2号機で初めて打ち上げられた新規開発の非火工品分離デバイス「シンプルピンプラー」と、それを利用した小型衛星用衛星分離部「シンプルパフ」が、いずれも宇宙空間で正常に作動することを確認した。同衛星分離部により、衛星分離時の衝撃を和らげるとともに外乱を低減させるなど衛星本体への負荷低減に寄与する。

川重は宇宙航空研究開発機構(JAXA)と2019年から小型衛星用の衛星分離部の共同研究を実施するなどして運用性を高め、シンプルパフシリーズの「15M」などを製品化した。

同シリーズは衛星分離面のインターフェース径や搭載可能衛星質量などの仕様に応じて3タイプをそろえており、さまざまなサイズの衛星に対応する。

今回のH3試験機2号機の打ち上げで使われたのは15Mで、衛星との機械的インターフェースのピッチ円直径が381ミリメートル。メーンミッションに影響を与えない範囲で超小型衛星を搭載する取り組みで選定された50キログラム級衛星の衛星分離部に採用された。

日刊工業新聞 2024年06月03日

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