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港湾施設で国内最大規模…ペロブスカイト太陽電池の耐久性検証

港湾施設で国内最大規模…ペロブスカイト太陽電池の耐久性検証

点灯式

積水化学工業と東京都は、同社製フィルム型ペロブスカイト電池を港湾施設に設置し、耐久性を検証する共同事業を始めた。都の「次世代型ソーラーセル見える化事業」として行う。2025年3月28日までをめどに、耐風圧や塩害などの影響を確認する。港湾施設に設置した事例では国内最大規模という。

東京国際クルーズターミナル(東京都江東区)4階のデッキに並んだ円柱に巻き付けるように設置した。発電した電気は蓄電池に充電し、デッキに掲げた大型サイン「TOKYO」の点灯に活用する。訪れた一般客やクルーズ船の乗客などに、有用性を身近に感じてもらう。

24日の点灯式(写真)に出席した小池百合子知事は「日本が生んだ軽くて曲げられる次世代太陽電池が東京を照らす。国内外の方々にもここから発信したい」と意気込んだ。積水化学の柏原久彦執行役員R&Dセンター所長は「ぜひ手が届く距離で見ていただきたい。脱炭素社会の実現には全員が心をひとつにしないといけないが、その一助になる」と応じた。

同社はフィルム型ペロブスカイト電池の屋外耐久性10年相当を確認し、幅30センチメートルで製造する。発電効率は15・0%。25年の事業化を目指している。

日刊工業新聞 2024年05月28日

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