軸振れ、5㎛以下…マイクロテック・ラボがDDモーター小型化
マイクロテック・ラボラトリー(MTL、相模原市南区、野村優介社長)は、高精度なダイレクトドライブモーターを小型化した「MRS―70シリーズ」を6月末に発売する。1個単位で販売し、カスタマイズにも対応する。「ターンテーブル型で、世界最小クラスのサイズ」(野村社長)という。価格は個別見積もり。年間600台の受注を目指す。
大きさは胴径70ミリメートルで、胴長は44ミリメートルと56ミリメートルの2タイプ。内部にケーブルや光を通すことができる中空軸構造で、中空径は25ミリメートル。同社従来品からクロスローラーベアリング(軸受)の精度を高め、軸振れを5マイクロメートル(マイクロは100万分の1)以下に抑えることにより、回転非同期振動(NRRO)を低減した。
プラグ取り付け口を備えており、エアを送って不純物除去とエアパージ(空気追い出し)が可能。トルク密度は一般的な同サイズのモーターと比べて約2倍の3ニュートンメートル。半導体製造工程でのウエハー検査装置や小型光通信衛星端末など、小型・軽量化と高精度が求められる分野での利用を見込む。
野村社長は「慣性モーメント(イナーシャ)が高い状況下でも本体設置のみでダイレクトドライブモーターらしい高精度な回転駆動を実現した」としている。
日刊工業新聞 2024年5月22日