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護衛艦の上空撮影で危機感…防衛省、ドローン対策急ぐ

高出力マイクロ波で防御

防衛省は飛行ロボット(ドローン)による自爆攻撃やスウォームと呼ばれるドローンを使った集団攻撃に対する防御対策の研究を急ぐ。屋外で使える高出力マイクロ波(HPM)装置を指揮統制システムとつなぐネットワーク技術の研究を2024年度から始めた。自衛隊基地や艦艇に接近するドローン探知後の対応をスムーズにし、迎撃態勢を整備する。マイクロ波装置の小型・高出力化研究も引き続き進め、ドローン迎撃に万全を期す。(編集委員・嶋田歩)

3月に海上自衛隊横須賀基地に停泊中の護衛艦「いずも」の甲板などを上空からドローンで撮影した動画像が中国で投稿され、防空体制の不備が明らかになった。今回は空撮だったが、レーダーに故意に衝突させるなどドローンによる危害が加えられた場合は防衛に重大な支障を生じる可能性があり、防衛省は「極めて深刻に受け止めている」とする。

ドローン攻撃対策には、高出力レーザーを上空に照射してドローンを撃ち落とす方法と、高出力マイクロ波を照射して回路基板を破壊し操縦不能にする、もしくは強制着陸させる方法の二つがある。レーザーは現時点では高出力化や装置の小型化、コストなどで難があり、マイクロ波が主流とみられている。

高出力マイクロ波研究は14年度に開始した。屋内照射実験に使う高出力発生装置はNECとの共同研究で開発済みだ。22年度からは屋外で照射できるよう、出力をさらに高めた装置を日本無線と開発中で、24年度はこの装置と指揮統制システムをつなぐ技術を研究する。発生装置の照射実験も続行し、妨害効果データを蓄積して性能向上に反映させる。

日刊工業新聞 2024年05月17日

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