ソニーGの通期見通し、当期益4.7%減の要因
ソニーグループが14日発表した2025年3月期連結業績(国際会計基準)は、当期利益が前期比4・7%減の9250億円になる見通しだ。半導体やゲーム、音楽分野が営業増益に寄与するものの、日米での税額控除の減少に伴う法人所得税の増額により、当期減益となる見通しだ。
売上高は同5・5%減の12兆3100億円を予想。半導体や音楽分野で増収を見込むものの、ソニー生命の市況変動に伴う特別勘定の運用益増加などで、金融分野が大幅な減収となるほか、家庭用ゲーム機「プレイステーション(PS)5」の販売数量減少などによる減収などが響くと予想する。
営業利益は同5・5%増の1兆2750億円を見込む。半導体分野がスマートフォンなど向け画像センサーの販売数量増などで増益を想定する。同日の会見で十時裕樹社長は画像センサー好調の理由について、スマホの販売台数ではなく、高機能化に伴う「メーンカメラの大判化の影響が大きい」と説明する。
24年3月期連結決算は、運用益の増加による金融分野の大幅な増収のほか、半導体、ゲーム分野などでの円安の追い風により、売上高は過去最高を更新する同18・6%増の13兆207億円だった。
一方、同日発表した27年3月期が目標の3カ年の中期経営計画では、営業利益年平均成長率(金融分野を除く)を10%以上とした。3年間累計の営業利益率(同)も10%以上の目標を掲げた。
資本配分では3カ年の前中計より6000億円多い4兆5000億円(同)を計画。このうち設備投資は半導体分野の投資減少などで、前中計比2000億円減の1兆7000億円を実施する。戦略投資では同5000億円増の1兆8000億円としており、「中長期的な事業成長に向けて、知的財産(IP)取得やM&A(合併・買収)などに取り組む」(十時社長)。
10月1日を効力発生日とする1株を5株にする株式分割も併せて公表している。
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