仮想空間に施工現場を再現、日立建機などが開発した基板の効果
日立建機は9日、アプトポッド(東京都新宿区)、ユニキャスト(茨城県日立市)と共同で、リアルタイムで施工現場の状況を仮想空間に再現するデジタルツイン基盤を開発したと発表した。同基盤の活用により、施工に関するデータを収集し、インターネット経由で遠隔地からの作業進捗(しんちょく)管理や自律型建設機械の操作を実現する。
同基盤は建機の位置・稼働情報や作業員の位置・生体情報、作業による地形の変化などの状況を収集し、仮想空間上に再現する。遠隔地から通信遅延なしで人の作業内容の調整や現場で動く複数の建機の制御が可能で、安全性の高い施工現場を構築できる。現場で刻々と変化する大容量のデータを高速で伝送処理できるため、リアルタイムでデジタルツインを構築できる。今後、実用化に向けて実証試験を進め、自律型建機の高度化や現場の安全性・生産性の向上など協調安全の実現を目指す。
同基盤の開発にあたり、日立建機は油圧ショベルなどの提供や、施工現場をデジタルツインとして再現するための要件定義、アプトポッドはデータ収集のクラウドシステムなどの開発、ユニキャストは施工現場の地形を3次元(3D)データ化するソフトの開発を担当した。
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日刊工業新聞 2024年05月09日