課長級をリーダーに育成…NTT東が公募型研修を新設、光回線に次ぐ新事業創出へ
若手の連携力高める
NTT東日本は課長級の中堅社員や、若手社員向けの公募型人材育成プログラム「NTTイーストカレッジ」を新設した。新任課長や主査級が次世代経営者候補としての知識を学ぶコースと、入社2年目以降の一般社員が他社との連携スキルなどを学ぶコースの二つを用意。2023年4月に専門性を重視した人事給与制度を導入したことに伴い、専門資格の取得だけでは得られない幅広い考察力を養成する。これにより光回線に次ぐ新たな事業の創出につなげる。
新任課長など管理職手前の社員向けコースは「ネクスト・ジェネレーション・エグゼクティブ」。期間は2年間で定員は25人程度。応募した社員を書類や面談で選考した。第1期の倍率は約3倍だった。
人材育成については、現状の実力では達成が難しい課題をあえて課す手法「ハードアサイン」を採用。最初に合宿を行い、2年間で自身が取り組む計画を設定し、渋谷直樹社長らの前で発表した。この計画を実現するため、就業時間の20%を使って本業以外の業務を担う「ダブルワーク」を行う。メンターも付けて伴走支援する。
財務や英語力など通常業務では学びにくいスキルも育成する。2年目には米国など海外での研修も予定している。卒業後は、NTTの役員候補育成制度「NTTユニバーシティ」への参加を目指す。
一方、入社2年目から係長手前までの社員向けコース「ファンダメンタル」の定員は約100人。地方自治体やパートナー企業と交流しながらデジタル変革(DX)などの課題に向き合い、共同で解決する能力を学ぶ。プログラム参加者らがキャンプなどを通じて交流し、自身の強みや弱みを再認識してもらう機会も作る。 NTT東は固定電話の契約減や光回線事業の成熟化に伴い、新たな収益源として地域活性化をDXで支援する新事業を相次ぎ打ち出している。この事業では、さまざまな企業や自治体と連携して課題を解決する能力が求められている。
日刊工業新聞 2024年04月23日