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“未知の可能性”を持つ生体電極…アイ・メデックス、機能開発に注力

“未知の可能性”を持つ生体電極…アイ・メデックス、機能開発に注力

年内に生体電極で計測した筋電を見える化し、モノづくりの技能伝承をサポートするシステムを投入する

筋電データでモノづくり支援

アイ・メデックス(千葉市花見川区、市田誠社長)は、生体電極の専業メーカーで、生体電極の機能開発に積極的に取り組む。生体電極は心電や筋電、脳波など人体の電気信号を計測する際に使用するもので、これまでにも防水化や、剥がれにくく、かぶれにくくし、より長期間にわたるデータの取得を可能にしている。

アイ・メデックスは2012年に初の自社ブランド商品「マイローデ」を発売した。電極パッドにアース(接地)を内蔵することで、体外からの電磁波や静電気を取り除き、センサーへの影響を抑える技術を業界で初めて搭載。ゲルも工夫し、1カ月程度は繰り返して脱着できる。

さらに防水性を向上するとともに、剥がれにくく、かぶれにくくしたのが、23年に発売した「マイローデII」だ。「令和5年『九都県市のきらりと光る産業技術』表彰」も受賞している。身体に貼り付けて使用するため、かぶれにくくするなどの機能は不可欠だ。また価格競争を避け、利益を確保するには機能向上は避けて通れない。ただ、少子高齢化や医療費の財源確保などが社会的な課題になる中、医療業界だけでは持続的な成長は難しい。そこで着目したのが生体電極の用途開発だ。

24年内には生体電極から計測した筋電を見える化し、モノづくりの技能伝承をサポートするシステムを投入する。熟練技能者の力のかけ具合などの技を数値化・波形表示できる。このデータを目標に訓練することで、スムーズな技能伝承につなげる。

また多くの企業が働き方改革に取り組むとともに、人手不足で生産性の向上が求められる中、同社の生体電極を活用し、従業員のストレスチェックやメンタルケアの実証実験が進められている。今後は農業や畜産業への応用も進める。

生体電極には未知の可能性がある。市田社長は「より人に優しくするなど生体電極の機能を向上させる」と言葉に力を込める。

日刊工業新聞 2024年04月11日

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