半導体搬送工事の売上高25%増へ、シンフォニアエンジが社内体制強化
シンフォニアエンジニアリング(三重県伊勢市、永井博幸社長)は、2030年度に売上高を現状比約25%増の250億円に引き上げる。営業利益率は10%以上を目指す。需要旺盛な半導体工場の搬送システム設備工事の受注を増やすほか、親会社であるシンフォニアテクノロジー向けアフターサービス事業の領域を広げる。成長分野に経営リソースを傾斜配分するなど社内体制を強化し、目標達成につなげる。
シンフォニアエンジニアリングは半導体搬送ラインの設置工事や施設の電気工事・管工事などを手がける「工事部門」と、アフターサービスの「システムサービス部門」の2本柱で事業を展開。4月1日付で同じシンフォニアグループのS&Sエンジニアリング(東京都港区)を吸収合併し、エンジニアリング・サービス技能者を集約する。
足元では日本、台湾、中国での半導体搬送ライン工事の引き合いが増加しているが、人手不足感が強い。教育に力を入れて多能工化を進めるほか、S&Sエンジの吸収合併を機に人的リソースの流動性を高めるなど、成長事業の工事施工能力を底上げする。
シンフォニアエンジの永井社長は「フィールドエンジニアリングの分野では今後、人の価値が一段と高まる。質の高い工事を数多くこなし、当社の優位性を広げていく」とする。S&Sエンジは病院内の薬品・検体・輸液などの搬送システムを手がけており「工事部門」でのシナジーが期待できるとみている。
一方、「システムサービス部門」ではシンフォニアテクノロジーが注力する半導体製造装置向け搬送機器のアフターサービスへの対応を拡充する方針。また電気自動車(EV)へのシフトを背景に、開発用途で需要が広がる自動車用試験装置のサポートなどにも力を入れ、システムサービス部門の対応力を強化していく考えだ。
日刊工業新聞 2024年03月27日