次世代パワー半導体・機器省エネ化…三菱電機が9000億円投資、グリーン関連の研究開発加速
三菱電機は26日、2030年度までの7年間でグリーン関連の研究開発投資に約9000億円を拠出すると発表した。機器の省エネ化や次世代パワー半導体のほか、再生可能エネルギー導入拡大に向けたエネルギーマネジメント、材料・製品の循環利用に向けた研究開発を進める。併せて30年度までに自社の工場やオフィスで使用する電力の100%を再生エネや非化石電力によるクリーンエネルギーで賄っていく方針も示した。
これまでグリーン関連の研究開発投資には、23年度までの3年間で約3700億円を投じていた。26日のオンライン説明会で漆間啓社長は「データを活用したイノベーションを通じ、社会や環境を豊かにしながら事業を発展させ、サステナビリティー(持続可能性)を実現させたい」と展望を述べた。
新たな9000億円の投資の内訳は今後詰める。炭化ケイ素(SiC)や酸化ガリウムなどの次世代パワー半導体のほか、機器の省エネ化・電動化、工場や発電所などから排出された二酸化炭素(CO2)を再資源化する「カーボンリサイクル」、材料や製品の循環利用の実現などに投資し、事業を創出・拡大していく。
4月には社内横断組織として「サステナビリティ・イノベーション本部」を新設することも決めており、関連の戦略策定や事業創出などを進めていく。
また、サステナビリティーの関連施策を推進するためにもデジタル人材の強化は喫緊の課題になっている。23年4月には横浜市に「DXイノベーションセンター」を設置しており、ここを中核に人材の採用・育成に積極的に取り組み、「ソフトウエアやデジタル部分を強化していく」(武田聡取締役)方針だ。
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日刊工業新聞 2024年03月27日