三菱電機が今秋開設、DX人材集結新拠点の全容
三菱電機はデジタル変革(DX)事業の拡大に向け、今秋に「DXイノベーションハブ」を横浜市に開設する。2024年度中にDX関連人材などを集結させて約500人体制とし、データの解析や利活用などを強化する。工場自動化(FA)や電力システムなど事業部門の枠を超えた新たな付加価値を創造し、顧客にDXソリューションを提供するのが狙い。並行して企業との連携も強め、共創の場として新事業・技術を開発する。
三菱電機はデジタルソリューション事業を創出・推進するため、23年4月に社長直轄の社内横断組織「DXイノベーションセンター(DIC)」を横浜市内に設置した。今後DICはDX事業をけん引しつつ、DXイノベーションハブを活用しDXのハブとして社内外で役割を広げる。
現在のDICのメンバーは約30人で、さらに各事業でDXに携わる人員が同居し、横浜の拠点は約100人体制となっている。24年度中に製造現場のデータ分析や利活用などに携わる各事業のDX関連人材などを集結させる。各事業が個別にDX事業を進めるのではなく、その枠組みを超えたデータの分析・利活用を進めることで、付加価値のあるDX事業を創出する。併せてDX人材の採用や育成も同ハブで実施する。
現在、同ハブの開設に向け、DICが横浜市内で入居するオフィスのスペースの拡張・改装などをしている。自社の人材だけでなく、スタートアップやパートナー企業からも幅広い人材が集まる共創の場を実現する。 三菱電機は現在、多様なデータを集約・分析して顧客の課題解決を実現する「循環型デジタル・エンジニアリング」企業への変革を進めている。同ハブの設置もその一環。
【関連記事】 日立が電機業界で勝ち組になったグループ戦略
日刊工業新聞 2024年03月08日