ＫＤＤＩと米ＧＩＴＡＩ　ＵＳＡ（ギタイ、カリフォルニア州）は、ロボットで基地局のアンテナを設置する実証に成功した。ロボットのみで設置が可能な基地局の支柱やアンテナを試作した。事前に設置していた支柱にギタイの探査車がアンテナを運び、同社のアーム型ロボットがアンテナを支柱頭頂部に設置。ケーブルに接続して通電に成功した。この実証で得た知見を月面での携帯通信網の構築に生かす。

実証では、月面を模した環境に設置した５メートルの支柱まで探査車がアンテナを運搬。２台のアーム型ロボットがアンテナを支柱頭頂部まで持ち上げ、支柱に接続した。探査車に搭載している別のアーム型ロボットがアンテナのケーブルを接続し、通電させた。アーム型ロボットはケーブルや支柱頭頂部のアンテナの取り外しも行ったという。

世界で月面探査の取り組みが加速する中、船外活動を行う宇宙飛行士や月面を走行する有人探査車からの高画質リアルタイム映像伝送などに使う高速大容量通信環境の構築が求められている。だが有人での基地局設置は難しく、ロボットによる無人での基地局設置が必要になる。