4割軽量化…KDDIが開発、クレーン使わず建柱できるCFRP製アンテナ支柱の効果
KDDIは29日、鋼製と比べて約4割軽い61キログラムに軽量化したガラス繊維強化プラスチック(GFRP)製の携帯電話基地局アンテナ支持柱をコスモシステム(宮城県名取市)と共同開発し、本格導入したと発表した。鋼製支持柱の設置に必要だったクレーンを使わず、人力のみで搬入・建柱が可能。基地局の建設期間を短縮でき、第5世代通信(5G)エリアの早期拡大につなげられる。年内に100本程度の導入を見込む。
GFRP製支持柱の管は、ガラス繊維を特殊な角度で巻き付けるフィラメントワインディング法で製作することで強度を向上。暴風や東日本大震災級の大地震にも耐えられる耐久性を実現した。
GFRPは耐食性に優れているため、錆による劣化の懸念がなく長期間の使用が可能。メンテナンス性を向上できる。同法で製作した管を用い、ボルトを除くすべてのパーツにGFRPを使用した支持柱は国内初だとしている。
携帯電話基地局の建設では、労働力不足や工事作業の負担が課題となっている。一方、通信量の急増で基地局設備は増え続けており、設備の軽量化が求められていた。
日刊工業新聞 2024年01月30日