世界最高圧を達成、酉島製作所が高温超電導モーター搭載「大流量・高効率の液化水素ポンプ」運転試験に成功
京大と共同開発
酉島製作所は高温超電導モーターを搭載した大流量・高効率の液化水素ポンプを京都大学と開発し、運転試験に成功した。液化水素の効率的な大量運搬により、水素コストの大幅低減への寄与が見込める。
今回の試験で、液化水素ポンプの流量は1時間当たり30・5立方メートルと世界最大流量を、圧力は1・6メガパスカル(メガは100万)と遠心ポンプによる昇圧量で世界最高圧をそれぞれ達成した。
液化水素を燃料で活用するには課題の供給コストを下げるため、大量輸送が可能なポンプの開発が不可欠。ただ密度の低い液化水素の昇圧には高い回転数が要求され、マイナス235度Cに冷却された液化水素をガス化させないようモーターの発熱を低減する必要がある。
酉島製作所は大型ポンプの開発で培った技術を活用し、毎分5000回転の高速回転を実現。また超電導モーターを利用してモーターの発熱を低減し、液化水素の気化を抑えることに成功した。
日刊工業新聞 2024年03月21日