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旧式システムを最新化、富士通とAWSが新たな協業体制の全容

旧式システムを最新化、富士通とAWSが新たな協業体制の全容

握手する富士通の島津執行役員(左)とAWSのウクポン副社長

メーンフレーム(大型汎用機)からクラウドへ―。富士通と米アマゾン・ウェブ・サービス(AWS)は18日、客先の現場で稼働中のレガシー(旧式)システムのモダナイゼーション(最新化)に向けて新たな協業体制を築き、4月から国内外一体で推進すると発表した。まずは富士通製メーンフレーム「GS21シリーズ」を利用している顧客を対象に、2029年までの5年間で国内30社、海外10社の計40社の移行を支援する。(編集委員・斉藤実)

両社はグローバルパートナー契約を拡大し、「モダナイゼーション・アクセラレーション・ジョイント・イニシアティブ」と呼ぶ共同プロジェクトを立ち上げ、顧客のメーンフレームやUNIXサーバー上で稼働する基幹システムのアセスメント(評価)や移行で協力する。富士通はモダナイゼーション後も顧客が進めるデジタル変革(DX)に向けて「クラウド・マネージド・サービス」を提供し、クラウド運用の最適化をサポートする。

富士通が持つ顧客基盤としては「メーンフレームが700台、UNIXが9400台稼働している」(島津めぐみ執行役員)。同社はメーンフレームの販売を30年度に終息し、35年度には保守も終了。UNIXサーバーについても29年度に販売を終え、34年度には保守も終了する計画を公表しており、これらが移行対象となる。

メーンフレームの刷新は膨大な作業が必要となり、現在は移行の商談のまっただ中にある。富士通とAWSがそれぞれ培ってきた知見や技術を融合することで、一連の取り組みを加速する。

協業拡大に当たり、移行を効率化するAWS製の開発ツール・サービス「ブルー・エイジ」を富士通のGS21シリーズ向けに最適化した。ブルー・エイジを活用することで、「COBOL(コボル)」や「PL/I(ピーエルワン)」といった古いプログラミング言語を「Java(ジャバ)」に自動的に変換でき、煩雑な作業を効率化できる。先行事例として、高島屋が進める移行プロジェクトでブルー・エイジを活用している。

富士通の島津執行役員は18日の会見で、モダナイゼーションの考え方として「Road to 3X(ロード・ツー・スリーエックス)」を提唱。その意味として「さまざまなデータを目的を持って一つに束ねて、新たな価値を生み出す道を示す思いを込めた」と語った。またマイグレーションについては「GS21シリーズ以外の他社製メーンフレームにも展開し、守りではなく、変革に向けて攻めのモダナイゼーションを推進する」と意気込みを強調した。

AWSのウウェム・ウクポン副社長(バイスプレジデント)は「人工知能(AI)をモダナイゼーションに持ち込む。コード(プログラム)解析やデータから得られる洞察などに生成AIも活用し、生産性を高める」と意欲を示した。

日刊工業新聞 2024年3月19日

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