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東大がリベンジ、「国際卓越研究大学」第2回公募に応募

認定候補入りへ報告書

東京大学は2024年度中に予定される国際卓越研究大学の第2回公募に応募する方針を示した。同大のタスクフォースが、初回の審査過程や、法改正で設置することになる「運営方針会議」のガバナンスなどについて検討。応募が適切だとする報告書をまとめ、学内会議で決定した。

国際卓越研究大学の第1回公募には東大を含む10大学が応募したが、東北大学のみが認定候補になった。審査した有識者会議は東大に対し、「変革のスケール感・スピード感が十分でない」「具体的内容を学内の構成員が共有し、全学として推進できれば認定候補となりうる」と指摘していた。

報告書には課題などをまとめた。議論が不足したため総花的になり、新部局「カレッジ・オブ・デザイン」の構想も、国際化と学士課程を巻き込む改革でありながら、目玉として中途半端だったと振り返った。ガバナンス体制の枠組みについても、政府の議論を踏まえて報告書に記した。

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日刊工業新聞 2024年03月14日
山本佳世子
山本佳世子 Yamamoto Kayoko 編集局科学技術部 論説委員兼編集委員
国際卓越研究大学への次回の応募姿勢は、大学によって濃淡があります。例えば東京医科歯科大、東工大は、統合後の東京科学大学で引き続き挑戦する、と初回の結果発表直後から表明しています。東大は採択されなかったショックを、学内団結のパワーに転換するためにも、早急な判断を避けて議論を重ねることにした、といえそうです。藤井総長は慎重で対話を重視するタイプですし、旧帝大は人的余裕があってタスクフォースに労力を振り向けられたのもあるでしょう。カレッジ・オブ・デザインは初回応募から目玉の一つでしたが、”出島”でなくどのような形で全学改革に結びつけていくのか、関心を持っています。

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