日本車両製造が鉄道ブランドに追加、「特急車両」の仕様
日本車両製造は鉄道車両ブランド「N―QUALIS(Nクオリス)」の製品群に特急車両を追加した。外周の窓が1枚のように見える「連続窓」のステンレス製車両として初めてレーザー溶接を活用。従来のスポット溶接と比べて強度と意匠性を高めた。鋼板のつなぎ目に取り付ける防水部材のシール材も大幅に削減でき、鉄道会社にとって保守作業の負荷軽減が見込める。国内の鉄道会社に売り込む。
Nクオリスは2021年に生産開始したブランドで、JR東海の通勤車両「315系」向けで352両の受注実績を持つ。保守のしやすさを重視した車両で、レーザー溶接の活用やシール材を削減した車両構造、一体成形で耐久度を高めた「NS台車」、異常を早期発見しやすい状態監視技術の3要素で構成する。
同ブランドによる特急車両向け需要があるとみて、今回の製品群への追加を決めた。販売目標は明らかにしていない。
レーザー溶接によって鋼板のつなぎ目が目立ちにくくなり、滑らかな仕上がりとした。イベントなどの一時的に貼るラッピングフィルムも取り付けやすくなり、意匠性の向上も実現。スポット溶接と比べて連続的な溶接となるため、強度や剛性の向上も期待できる。
またシール材を大幅に減らした設計で、保守がしやすい車両とした。
鉄道会社では数年周期で実施する検査でシール材を取り替えているが、負荷の高い作業とされる。シール材を削減したことで作業時間の削減が見込める。
日刊工業新聞 2024年02月22日