車載電池供給網向け温室ガス算定します。ゼロボードが新サービス
ゼロボード(東京都港区、渡慶次道隆社長)は、3月1日から車載用電池サプライチェーン(供給網)の企業向けに温室効果ガス(GHG)排出量(CFP)算定サービスの提供を始める。部品サプライヤーで導入が決まったほか、完成車メーカーにも採用される見通し。欧州の新しい電池規制に対応するため電池供給網の企業では今後、CFP算定システムの導入が急増するとみており、ゼロボードは5月末までに数百社の契約獲得を目指す。
自動車メーカーや電池メーカーでは、欧州で導入される「欧州電池規則」に対応し、2025年2月から電池の原材料から製造、流通、廃棄までのライフサイクルで排出されるGHGのデータを、第三者機関の認証を得て表示する義務が課される。同規則では25年以降も電池製品情報の電子記録やリサイクル材の使用、人権・環境リスクへの対応(人権デューデリジェンス)情報の表示などが求められ、対応しない電池を搭載するハイブリッド車(HV)や電気自動車(EV)などは欧州で販売できなくなる。
中でもCFPの算定は、電池出荷の1年前からデータの開示が求められるため、電池供給網の企業では、既にデータの収集を始めておく必要が生まれており、今後、算定システムの導入が急速に広がる可能性があるという。
電池供給網の情報収集については、経済産業省が24年4月の稼働を目指して開発中の業種横断データ連携システム「ウラノス・エコシステム」を使い、完成車メーカーや部品メーカーを対象にCFPデータの収集実証を進めており、日本自動車工業会(自工会)や日本自動車部品工業会(部工会)、電池サプライチェーン協議会(BASC)などが協力している。ゼロボードは野村総合研究所などとともにウラノス・エコシステムに接続するCFP算定システムの開発事業者に選ばれている。